講評
2025年 11月実施 中3
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2025年 11月実施 中3
中3
数学
| 平均点/満点 | 55.2点/100点 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 小問数 | 26問 |
平均点はほぼ想定どおりの結果になりました。大問別では、難度がかなり高めの5(速さに関する連立方程式)と入試標準レベルである6(2次方程式)で想定をやや下回り、問題文の読解および未知数 \( x \) の設定などに苦労した受験生がやや多かった印象です。今回のテストは、最後の7(立体)も含め後半部分の難度が比較的高く、図を描いて状況を整理するなど、必要なだけ手を動かしながら考えることが必要不可欠です。この時期になると、ついつい焦って解説をながめるだけの勉強になりがちですが、最後までしっかり自分の手と頭を使いながら学習していくことが何よりも大切です。

2(4)〔正答率62.5%〕1次関数( \( x \) と \( y \) の変域)
(最も多かった誤答)「(\( a \)=)4」7.6%
与えられている1次関数の式について、-6≦\( x \)≦\( a \) に対応する変域が 0≦\( y \)≦\( b \) となる場合の \( a \) と \( b \) の値を求める問題です。それぞれの値は、1次関数の式に \( x \)=-6 あるいは \( y \)=0 を代入することで求められるのですが、\( y \)=0 とすべきところを誤って \( x \)=0 とした受験生が「(\( a \)=)4」という誤答を書いてしまったようです。
計算式だけで済ませてしまうと、このようなミスが起こりがちです。ここは面倒くさがらずに(解説にあるような)グラフを描き、与えられた条件を図に書き入れながら状況を整理するようにしましょう。
2(8)〔正答率66.8%〕空間図形(回転体の体積)
(最も多かった誤答)「180cm3」20.4%
与えられた直角三角形を回転させてできる図形は、下の図のような円錐になるので、この体積を求めると答えは「180πcm3」となります。

「180cm3」という誤答は、単純にπを書きそびれただけのケアレスミスであると言えなくもないのですが、「円や球の計算ではπが必須」という意識が少しでもあれば、これは防ぐことのできたミスであるように思います。普段から「円や球が出てきたらπ!」という意識づけを行っておくことで、このようなミスはかなり減らすことができるはずです。
4(1)〔正答率62.3%〕図形の性質(三角形の合同の証明)
図形(合同三角形)についての証明問題です。三角形の合同条件の記述部分をいくつかの要素に分け、要素ごとに2点ずつの部分点(合計8点)を与える方式で採点しております。採点結果のおもな内訳は(1点減点の影響も含めると)次のようになりました。

このように、証明などの記述問題では、少しでも正しい箇所があれば部分点がもらえることが多いので、無答はなるべく避けるようにしましょう。
6(1)〔正答率68.0%〕2次方程式の活用(売り上げ金額)
(最も多かった誤答)「36000円」7.8%
「1個80円の定価で売ると350個売れる商品を、定価から10円値下げして売った場合の売り上げ金額がいくらになるのか」を求める問題です。
ただし、「定価から1円値下げするごとに売り上げ個数が10個ずつ増える」という設定なので、10円値下げした場合の売り上げ個数は (350+10×10=)450個 となり、売り上げ金額は (70×450=)31500円 となります。
「36000円」と答えた受験生は、おそらく1個あたりの値段を 80円 のままで計算し、(80×450=)36000円 と算出したのだと思われます。
この問題もそうですが、今回のテストは「起こりやすいミスの典型パターン」のようなものが全体的に散りばめられております。入試においては、取るべき問題を取りこぼすことが一番の痛手になりますので、答えを書く寸前にもう一度問題文を軽く読み直す・少し検算を行ってみる等、ミスを減らすためのセルフチェックを習慣づけておきましょう。
中3
国語
| 平均点/満点 | 59.0点/100点 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 小問数 | 29問 |
5(漢文の読解)を除いた大問は、いずれも想定を上回っていました。特に3(文学的文章の読解)は 10% 以上想定正答率を上回る結果となりました。その結果、全体としては 5% 以上想定正答率を上回りました。

2(3)〔正答率50.6%〕品詞の識別 の

用法が他のものと異なる「の」を答える問題です。
選択肢b「ぼくら の 学習したこと」は「ぼくら が 学習したこと」と言いかえることができます。他の選択肢は「の」を「が」に言いかえることができません。
受験生の解答は主に選択肢a「文化祭の出し物」に集中しました。選択肢a以外の「の」の直前にある言葉は、「ぼくら」「みんな」「あなた」など人を表す言葉ですが、「の」の用法とは無関係です。もう一度、「の」などの基本的な助詞の用法を復習しておきましょう。
2(5)〔正答率15.6%〕俳句 季語
(最も多かった誤答)「天の川 夏」65.9%
松尾芭蕉の俳句「荒海や 佐渡に横たふ 天の川」の季語とその季節を答える問題です。正解は「天の川 秋」です。
誤答の大半は「天の川」の季節を「夏」としたものでした。天の川は夏の夜空に見えるイメージがありますが、俳句の世界では旧暦に基づき、七夕の時期にちなんで「秋の季語」に区分されています。旧暦の七月が初秋にあたるためです。
旧暦と新暦の違いは実生活からイメージしにくいので、「五月雨」(夏)・「花火」(秋)など代表的なものを覚えておくと問われたときに対応できます。
3(4)〔正答率24.4%〕選択 「私」の気持ち

「私」は母親の代わりにやってきた「初子さん」という女性と仲良くなり、迎えに来た彼女と下校途中に買い食いなどをしました。そのことが先生の耳に入り、初子さんは呼び出しを受けて注意されました。その帰り道、「私」は「猛烈に悪いことをしてしまった」という気持ちになりました。そのときの「私」の気持ちを説明した選択肢を選ぶ問題です。
受験生が選んだ選択肢で最も多かったのは選択肢アでした。「注意されて落ちこんでいる」という内容は理解しやすいですが、初子さんが何を考えていたのかということについては描写がなく、「落ちこんでいる」と明言された部分はありません。初子さんが先生たちの前で「この子(=「私」)の父親を、尊敬しています」と言い切ったという事実を正確に述べている選択肢イが正解です。
4(5)〔正答率39.0%〕選択 言いかえ 防波堤を築く

アウグスティヌスが懐疑論者の議論に対して「一種の防波堤を築こうと試みている」とはどういうことかを説明した選択肢を答える問題です。
防波堤とは波から港などを防ぐためのものです。アウグスティヌスはかつて懐疑論へと傾倒した体験から、「外界のものが本当に存在するとまでは主張せずに、そのものが我々に現れているということを肯定するだけに留め」ておき、「内面的表象の確実性」に焦点を当てることで、懐疑論者の「外界については究極的には不可知だ」という方向に陥ることを防ごうとしました。
選択肢ウは「それら(=外界のもの)を真実として扱うべきだ」、選択肢エは「自己の内面とその外面を同一視して」という部分がそれぞれ言い過ぎです。本文と選択肢を丁寧に読み解くことが試された問題です。
中3
英語
| 平均点/満点 | 64.7点/100点 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 小問数 | 27問 |
文法2・書きかえ3・整序4・英作文5はほぼ学年相応に身についているといえます。リスニング1・読解6~7が想定を上回った点で試験全体の正答率は想定を上回る結果となりました。

2(4)〔正答率36.1%〕文法
私はあなたに会うのを楽しみにしています。I’m looking forward to ( ) you.
日本文の内容に合うように、( )にあてはまる語を書く問題です。
(多かった誤答)meet 35.0% see 20.0%
「~するのを楽しみに待つ」は look forward to ~ing で表します。不定詞を学習した時に to の後ろの動詞は原形と習ったことから、半数以上の受験生が「会う」を表す meet や see を原形で解答したものと思われます。しかし look forward to の to は前置詞であるため、その後ろにくるのは名詞・代名詞、あるいは動詞の ing形 となりますので、look forward to see you ではなく look forward to seeing you としなければなりません。知識が増えることでよく似た表現との混乱にもつながりますが、間違えたことを通して知識の整理が出来るようにしましょう。
3(3)〔正答率26.0%〕書きかえ
The man didn’t look back and ran away.
The man ran away ( ) ( ) back.
ほぼ同じ意味の文になるように適当な語を入れる問題です。
(最も多かった誤答)didn’t look 19.2%
与えられた文は「その男は振り返らず、そして逃げた」という意味です。これは主語 The man が didn’t look back と ran away という2つの動作を並立して行ったという文です。それを書きかえる文では ran away だけが表記されているため、多かった誤答では英文における並列した動作の語順を前後逆にすると受験生が認識したものと思われます。ただこの場合は動詞が2つあるため接続詞が必要となります。「振り返らず」を( ) ( ) back で表すことになりますが、ここでは「振り返らず」を「振り返ることなしに」と表現を変えて考えます。「~することなく」は without ~ing で表すことができるので without looking が正解となります。
5(2)〔正答率30.0%〕英作文
私は彼の車を1時間以上待ち続けています。
( ) been ( ) ( ) ( ) ( ) for over ( ) ( ).
日本文の内容に合うように、( )に適当な語を書く問題です。
(多かった誤答)forミス 24.5% 現在完了(経験)と判断した been to 12.8%
この問題でまず目を引くのが been です。学校で初めて been を習うのが現在完了の経験用法〈have been to~〉「~に行ったことがある」という表現であるため、まずこの表現が頭に浮かんだためか I’ve been to で始める答案が13%近く見られました。ただ、受験生の多くは、問題の「(ずっと)~している」という表現から現在完了進行形〈have+been+~ing〉で答えを導き出そうとされており、ここがこの問題の最大ポイントである点からも好ましい傾向と取れました。しかしそのポイントは把握できていながら細かなミスで得点に至らなかった点も散見されました。his car が the car や him car であったり an hour が a hour であったり、特に目立ったのが、「~を待つ」wait for~ の表現ミスでした。wait to~、wait of~、wait~ 等の誤答が多く見られました。つまり、ポイントの現在完了進行形が理解できているにもかかわらず細部の表現ミスで得点につながらないというもったいない結果が、正解者と同じくらいの割合で存在していました。
中3
理科
| 平均点/満点 | 51.0点/100点 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 小問数 | 36問 |
平均点は想定を少し下回る結果になりました。大問別では、知識分野である2(人体)で想定をやや上回った一方で、計算も含まれていて差がつきやすい3(化学)や5(力学)で想定を下回りました。残された期間を考えると、苦手分野のすべてを克服することはあまり現実的ではないかもしれませんが、その中でも比較的対処しやすいテーマや頻出問題などに対しては練習を十分に積んでおき、本番では確実な得点につなげていきたいところです。既存のテキストの類題なども含めてパターン演習を繰り返し、少しでも弱点をつぶしておきましょう。

1(8)〔正答率46.9%〕フェーン現象

フェーン現象についての定性的な結果を選択肢で答える問題であり、正解はイ(風上側よりも風下側のほうが、空気の温度が高く湿度が低い)です。
誤答の中では、正解のイと全く逆の内容を示すウ(風上側よりも風下側のほうが、空気の温度が低く湿度が高い)を選んでいる受験生が多く見られました。入試に頻出のテーマですから、これを機に正しい結果をしっかり覚え直しておきましょう。
なお、本問では空気の温度や飽和水蒸気量などの具体的なデータも与えられているので、定量的な計算を行うことで正解の選択肢を選ぶことも可能です。計算問題として出題されることも多いテーマですから、計算問題の復習としても本問を利用しておいてもらいたいところです。
3(2)〔正答率46.6%〕塩化銅の電離の反応式
「イオンの化学式を使った化学反応式で書きなさい」という指定があるので、「CuCl2→Cu2++2Cl-」という電離式で書いたものだけが正解となります。
誤答例としては、「CuCl2→Cu+Cl2」のようにイオンの化学式を用いていないもの、「Cu+」や「Cl2-」のような誤ったイオン表記を用いたものなどがありました。
イオンは中3で初めて学習してからそれほど時間が経過していない分野ですから、習熟度に結構な差が見られます。入試では極めて重要なテーマなので、苦手としている受験生は早急に復習を行っておきましょう。
5(1)〔正答率41.3%〕浮力とつり合っている力


上の図のように物体が水面付近で静止しているとき、物体にはたらく重力と浮力の大小関係を選択肢で答える問題です。「静止」している以上、力がつり合っているはずですから、正解はア(重力=浮力)です。
ウ(重力<浮力)を選んだ受験生は、おそらく「水面から物体の一部が出て浮いているので、重力<浮力 のはずだ」と考えたのでしょう。じつは、水面から一部が出ていようが、水の底に完全に沈んでいようが、それ自体はあまり重要なことではありません。どこに位置していても、物体が静止しているのであれば、力のつり合い(上向きの力の合計=下向きの力の合計)は常に成り立ちます。
中3
社会
| 平均点/満点 | 64.2点/100点 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 小問数 | 43問 |
1「地理・歴史・公民の基本」と4「歴史(近世~現代)」が想定を大きく上回ったため、全体として想定を大きく上回りました。1「地理・歴史・公民の基本」は配点も大きく、その影響が大きく現れました。

1(9)〔正答率27.7%〕裁判所の種類
(多かった誤答)「最高」36.1% 「高等」16.9% 「刑事」7.8% 「簡易」4.7%

上の資料を見て裁判の種類を答える問題です。裁判官席の両側に裁判員席があるので、「地方(裁判所)」が正解です。裁判員が参加するのは地方裁判所のみであるという知識があるかどうか、そしてその知識を応用できるかどうかが、この問題のポイントです。
誤答で最も多かったのは「最高(裁判所)」でした。最高裁判所は弁護人席と検察官席が向かい合っておらず、証言台や被告人席もありません。
地方裁判所や最高裁判所だけでなく、5つの裁判所(最高・高等・地方・家庭・簡易)の特徴・違いを押さえておきましょう。
2(5)〔正答率27.9%〕長野県について

長野県の特徴を説明した文章を選ぶ問題です。
選択肢ウの「明治時代から蚕から生糸をつくる製糸業がさかんだった」という部分は、当時官営の富岡製糸場が設立された群馬県の特徴ともとれる内容ですが、明治時代から長野県でも製糸業は盛んでした。また、「現在は精密機械工業が発展している」という部分は、時計などの精密機械工業の盛んな長野県諏訪地方の特徴を説明しています。
多くの受験生が「施設園芸農業」が盛んであるという選択肢エを選んでいました。長野県で盛んな農業は、ぶどうやりんごなどの果物の栽培です。
農業と工業はともに重要です。地域別にどのような産業が盛んであるか、よく復習してください。
3(4)〔正答率23.3%〕日本最古の貨幣
(多かった誤答)「和同開珎」など59.6% 無答8.9%
日本最古の貨幣を答える問題です。飛鳥時代に天武天皇がつくらせた「富本銭」が正解です。
誤答の多くは「和同開珎」と答えていました。和同開珎は奈良時代につくられた貨幣で、日本で最初に流通・・したとされる貨幣です。また、「珎」のミスで「賃」「弥」「称」などと誤記した答案が全体の16%にのぼりました。社会科では「珎」のように、小学校で学習しない漢字が出てくる機会が多くあります。日頃から漢字で書いて覚える習慣をつけましょう。
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