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講評

2024年 11月実施 小6

小6

算数

平均点/満点 60.4点/100点
試験時間 40分
小問数 25問
1. 大問別正答率(想定と結果)

ほぼ想定通りの平均点となりました。大問単位では、全体的に結果が想定を下回りましたが、8はそれが大きく逆転しました。

テスト 小6 算数 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

4(1)〔正答率80.8%〕(2)〔正答率34.5%〕文章題(単位量あたり・速さ)
(1)(多かった誤答)「1.4m」6.4% 「1.39m」5.9% 「無答」5.3%
(2)(多かった誤答)「無答」22.2% 「2分6秒」16.1% 「2分54秒」13.7%

(問題)

4 としきさんが、歩いて50歩で進む道のりを計測したところ、36mでした。

(1) としきさんが1 歩で進む道のりの平均は何mですか。

(2) としきさんが、歩いて325歩で進む道のりを、ゆうじさんが分速90mで進むと、何分何秒かかりますか。ただし、としきさんが1歩で進む道のりは(1)で求めた道のりと等しいものとします。

 

(1)は、1歩あたりに進む道のりなので、36÷50=0.72(m)が正解です。多かった誤答では、50÷36を計算して1.388…より、四捨五入して「1.4m」や「1.39m」としています。これは、1mあたり進むのにかかる歩数を求めたものです。
単位量あたりの問題では、今回のように、意味を取り違えてしまい、わられる数・わる数を逆にしてしまうことがあります。これは、割合の問題でも起こりがちですので、注意しましょう。
(2)は、(1)の結果を用いて解く問題です。まず、0.72×325=234(m)を求め、234÷90=2.6(分)より、正解は「2分36秒」です。
多かった誤答のうち「2分6秒」は、2.6の整数部分を2分、小数部分を6秒としたものです。また、「2分54秒」は、234÷90=2あまり54 と計算したようです。いずれも、時間の単位換算を理解できていないことが原因です。

 

6(2)〔正答率35.5%〕割合(もとにする量)
(多かった誤答)「156cm」21.0%

問題は、落としたとき75%の高さまではね上がるボールが、図のように2回目で117cmまではね上がるのは、初めに何cmの高さから落としたときかを求めます。

 

テスト 小6解答 算数 6-(2)

 

1回目にはね上がったのが、117÷0.75=156(cm)ですが、これを解答した受験生が多くなりました。正しくは、もう一度0.75でわり、156÷0.75=208(cm)です。
「156cm」を解答した受験生は、求めた数値が何を意味するのかを把握できていなかったことが原因のようです。

 

7(2)〔正答率54.3%〕平面図形(複合図形の面積)
(多かった誤答)「77.04cm2」17.8% 「30.96cm2」9.2%

次の図で四角形ABCDが正方形のとき、色のついた部分の面積の合計を求めます。

 

テスト 小6解答 算数 7-(2)

 

円の面積が113.04cm2、正方形ABCDの面積が72cm2より、答えは 113.04-72=41.04(cm2)になります。
これに対し、誤答「77.04cm2」は、正方形ABCDの面積を36cm2としてしまったことが原因です。また、誤答「30.96cm2」の方は、正方形ABCDの面積を144cm2とし、144-113.04=30.96(cm2)というふうに、苦しまぎれに大きい数値から小さい数値をひいてしまったことが原因です。
この2例に限らず、円の面積の方は、大半の受験生が正しく求められていました。この問題では、正方形ABCDの面積を正しく求められたかどうかで力の差が出る結果となりました。なお、学習時期として、円の面積は小6、正方形の面積は小5です。

 

小6

国語

平均点/満点 57.4点/100点
試験時間 40分
小問数 29問
1. 大問別正答率(想定と結果)

2(知識・文法)・4(文学的文章の読み取り)・5(論理的文章の読み取り)の正答率が想定を若干下回りましたが、3(言葉の書きかえ)が想定を上回ったため、全体正答率はほぼ想定通りになりました。

テスト 小6 国語 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

1(5)〔正答率49.2%〕漢字の書き 旗
(多かった誤答)「旗」の漢字ミス23.8% 「期」4.2%

熟語ではなく漢字1字の出題でしたが、正答率は想定より伸びませんでした。
誤答の大半が漢字の右側を正しく書けていませんでした。「其」と書いたもの、短い横棒の本数が3本になっているものなどのバリエーションがありました。他には「期」「棋」「旅」「族」などの誤答がありました。漢字の形そのものが身についていません。既習漢字を書けるかどうか、一度復習しておくのもよいでしょう。

 

2(1)〔正答率32.3%〕反対語 故意・過失

テスト 小6解答 国語 2-(1)

 

「故意」の反対の意味の言葉を答える問題です。
最も多い誤答は選択肢ア「自発」でした。「自発」も「故意」も「自分の意志で」というニュアンスを含む言葉ですが、「故意」という熟語を「わざとではない(=自分の意志ではない)」という意味でとらえた受験生が多かったのだろうと思われます。
次に多かった選択肢イ「強制」は、その人の意思にかかわりなく、無理にさせるという意味です。「故意」には「~させる」というニュアンスはありません。
「故意」や「自発」、正解の「過失」などは、小学6年生の日常生活では使用する機会が少ない言葉ですが、大人ならニュースなどで見聞きすることがある言葉です。日頃から自分の知らない言葉が出てきたときに、その言葉を調べる習慣を身につけておきましょう。

 

2(6)〔正答率54.4%〕・(7)〔正答率66.4%〕文の型

 

(6)
テスト 小6解答 国語 2-(6)
(7)
テスト 小6解答 国語 2-(7)

 

文の型を選ぶ問題です。文の型とは、「何が(は)―どうする」、「何が(は)―どんなだ」、「何が(は)―何だ」の3種類です。文の型は、述語で見分けます。
(6)「開始した」は「~する」という複合動詞です。どちらの誤答も一定数の受験生が選んでいます。「~する」という言葉は「動作(どうする)」であるということを押さえておきましょう。
(7)「作品です」は、誤答が選択肢イ「何が(は)―どんなだ」に集中しました。「~です」「~だ」は、「何が(は)―どんなだ(様子)」と「何が(は)―何だ(ものの名前)」の区別がつきにくいので注意が必要です。

 

4(1)〔正答率43.7%〕選択 言いかえ 核心に切り込む

テスト 小6解答 国語 4-(1)

 

核心に切り込むという言葉の意味を答える問題です。言葉の意味を知らなくても、その意味を文脈から推測することはできます。
一日目を走り終えた時点で昇平は北斗が疲れ切っていると判断し、北斗に再チャレンジを勧めようとしています。そのために昇平は、傍線部①の直後で「日が暮れるまでに辿り着けると思うか?」と北斗に尋ねています。ここから、選択肢イ「物事の中心となるところへ話をすすめること」が正解だとわかります。
この昇平の質問に、北斗は答えることができていないことから、選択肢ウ「答えやすい質問をする」や、選択肢エ「相手にとってふれにくい話題を避けて話をする」は間違いです。選択肢ア「自分と異なる考えを持つ」というのは、この時点では北斗の考え(行けるところまで行ってみたい)は明らかになっていないので、間違いです。
本文の流れを把握して丁寧に選択肢を吟味する力が試された問題でした。

 

4(3)〔正答率37.9%〕選択 言いかえ 自分の落ち度

 

テスト 小6解答 国語 4-(3)

 

「自分の落ち度」の内容を説明したものを2つ選ぶ問題です。
半数近い受験生が選択肢アを選んでいました。選択肢アの内容は「北斗」の落ち度であって、「自分(=昇平)」の落ち度ではありません。本文中に書かれている内容であっても、問われていることに正しく対応しているかどうかを吟味するようにしましょう。

 

5(2)〔正答率12.3%〕抜き出し 仮説の立て方
(多かった誤答)無答 41.2% 「現場に残された痕跡や事故に遭遇した人たちの証言」15.2%

問題文の「すべて使って考える」と同じ意味の表現「総動員して頭の中に仮説をつくる」から正解を導くことができます。無答率が高かったのは、解答箇所が傍線部から45行以上離れており、23字という長い言葉を探しきれなかったからだと考えられます。抜き出し問題の問題文は問題を解くうえで鍵となります。問題と本文を見比べて、似たような表現が無いかを確認するようにしましょう。
最も多かった誤答「現場に残された痕跡や事故に遭遇した人たちの証言」は、正解よりも傍線部に近い場所にあります。現場に残された痕跡や事故に遭遇した人たちの証言をもとに「仮説を立て」ると述べられているので正解にも見えますが、これはあくまで具体例です。傍線部では一般的な仮説の立て方が問われているのであって、事故調査の仮説の立てかたが問われているのではありません。問題をよく読んで、自分の解答がふさわしいかどうかを見直すことが大事です。

 

小6

英語

平均点/満点 71.8点/100点
試験時間 25分
小問数 45問

この学力テストの小学生英語においては、小学5・6年生が同じ問題に挑戦するという実態調査の形をとっています。今後の英語学習の指針として、テストおよび結果をご活用ください。

 

1. 大問別正答率(想定と結果)

13はリスニング問題、47は筆記問題となっていますが、3(あいさつや対話を聞いて理解できる)は、想定を大きく下回りました。また記述問題となる5(単語を書くことができる)では、小問ごとでの得点率に大きく違いがでています。特に(4)の正答率は20.0%を下回る結果となりました。12などイラスト付きの問題では得点率が高くなりましたが、試験全体としての正答率はほぼ想定通りとなりました。

テスト 小6 英語 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

1(3)〔正答率75.4%〕リスニング 英単語
(最も多かった誤答)「ア-leg」7.8%

「単語の聞き分け」の問題です。日常生活でよく見聞きする言葉が多く出題されているため正答率は全体的に高くなりました。ここでは、意外にも(3)の正答率が想定を下回りましたが、これはイラストから口(mouth)を想像していたものの選択肢にはなく少し戸惑いがあったものと思われます。また、(1)はリスニング問題の第1問目であることに加え、イラスト=皿が少し分かりづらかったようで正答率も84.0%と想定を下回りました。日常会話の中で使われている英語(物の名前等)は意外とたくさんあります。少し気にして身の周りを見てみるようにしましょう。

 

2(5)〔正答率69.5%〕リスニング 英文
(最も多かった誤答)「ア-It's seven fifteen now.」19.9%

「文の聞き分け」を問いました。この問題には紛らわしい英語の数詞(fifty / fifteen)の聞き取りがありましたが、意外にも選択肢ウ-It's seven ten now. を解答とした誤答も10%以上あり、正答率は想定を下回りました。
50-fiftyと15-fifteenは「アクセント」の位置や「音の伸ばし方」に違いがあります。fiftyは最初の音節にアクセントを置いて発音されます(fif・ty)。そしてfifteenのアクセント位置は2音節目です(fif・teen)。またfiftyの-ty部分は「ティ」と短く発音しますが、fifteenの-teen部分は「ティーン」と伸ばして発音します。普段から意識して発音するようにしましょう。

 

3(4)〔正答率45.4%〕リスニング 対話文
(最も多かった誤答)「イ-It's eleven thirty.」46.3% 無答 0.4%

テスト 小6解答 英語 3-(4)

 

3にはイラストや英単語・英文といった解答の手がかりとなるものがありません。ヒアリングのみで、その場で、短時間に判断して解答する必要があるために、難度が高くなり全体に正答率が低く、想定を下回る結果となりました。(3)(4)はともに疑問詞を使った疑問文の応答ですが、特に(4)When~?の時をたずねる疑問文では、選択肢イのIt's eleven thirty. のItを時を表すitと聞きとった誤答が多く、正答率が想定を大きく下回りました。

 

4各設問ごとの正答率〕筆記 アルファベット

 

 
小5
小6
(1) B
98.0%
98.8%
(2) N
95.7%
97.8%
(3) Y
93.9%
96.3%
(4) f
87.6%
94.2%
(5) h
92.8%
96.0%
(6) r
93.7%
96.9%

 

アルファベットの書き取り問題ですが、なじみの薄い小文字も含め小6生は非常に高い正答率となりました。ただし(4)の小文字のfの正答率がやや低くなっていますが、大文字Fの形をそのまま小さくしたものや、四線の位置づれ(特に中2線内での小さな文字)での誤答が目立っていました。

 

5各設問ごとの正答率〕筆記 英単語

 

 
小5
小6
(1) sun
31.8%
46.9%
(2) fish
42.3%
60.4%
(3) orange
19.7%
32.2%
(4) rain
11.1%
16.6%
(5) watch
12.7%
22.8%
(6) eight
20.7%
28.5%

 

「書く力」を試す問題です。日常生活の会話でもよく使われる単語からの出題となっています。
小学校の学習指導要領で求められている「書く力」は、

 

①大文字・小文字を活字体で書ける

②簡単な語句や基本的な表を書き写すことができる。

 

となっています。
知っている(カタカナなら書ける)ことと、英語の綴りで書けることでは難度に大きな開きがあります。現段階ではそれほど結果を気にすることはありませんが、今後の学習において、英単語を学習する時には、カタカナ読みにならないよう、英語の音をしっかりと聞いて、声にだして確認しながら覚えるようにしましょう。
(4)ではrain→rein、とした誤答が圧倒的に多く、「似た音のアルファベットの混同」による綴りミスが原因となっていました。また正答率の低い(5)watchでは2文字子音(-ch)が含まれ、約18%が無答という結果になりました。

 

6(4)〔正答率44.5%〕選択 英文の理解
(最も多かった誤答)「ア-A boy wants to be a dentist.」32.2%

テスト 小6解答 英語 6-(4)

「英文を読む」こと自体の経験が少ない受験者も多かったと思いますが、答えのカギとなる英単語(イラスト)の難度によって正答率は変わりました。
(4)dentist(歯医者)、carpenter(大工)はなじみが薄く、正答率が想定を下回りました。(5)の前置詞byにはさまざまな意味がありますが、ここでは場所・位置を表す(~のそば)という意味で使われています。

 

7(5)〔正答率50.3%〕選択 会話文の理解
(最も多かった誤答)「イ-This car is old.」27.1%

テスト 小6解答 英語 7-(5)

「対話文を読み取る力」を問う問題です。会話として2人の「質問」と「返答」が不自然でなく成り立っていなければなりません。意味(内容)と文法の両方を正しく理解していくことが必要になります。(5)は疑問詞whichを用いた応答文ですが、mine、yours といった所有代名詞(~のもの)の使い方の理解も必要になります。また(1)では疑問文ではなく、否定命令文(~してはいけない)に対して返答する会話となっており、単にYes / Noでは答えていないので、しっかりと場面設定・状況がとらえられていないと誤答となってしまいました。
英語での日常会話には多くの基本的な対話パターンがあります。慣用句的な表現も多く、日本語から英語に訳しづらい表現も少なくありません。一朝一夕で身につくものではありませんが、口にだして暗唱することを習慣化していってください。

 

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