講評
2024年 11月実施 小5
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2024年 11月実施 小5
小5
算数
平均点/満点 | 58.9点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 25問 |
平均点は、想定より少し低い結果になりました。6以降の応用レベルの問題にうまく対応できなかった受験生が多かったことが要因です。
2(4)〔正答率60.1%〕文章題(差の考え方)
(最も多かった誤答)「無答」18.8% 「212円」13.7%
(問題)
(4) パン6個とジュース2本を買うと806円です。
また、同じパン4個とジュース2本を買うと594円です。パン1個のねだんは 円です。
2通りの買い方で、いずれもジュースは2本なので、代金の差を求め、806-594=212(円)と考えますが、これはパン2個分の代金の差になります。ここまでを解答とした誤答が多くありました。
この問題では、無答が最も多くなり、どのように解き始めてよいかわからず飛ばしてしまった受験生が多くいたようです。問題文で与えられている2通りの買い方を比較してみることを思いつかなかったものと考えられます。
2(5)〔正答率56.2%〕平面図形(図形の性質)
対角線が次の図のような四角形の名称を答える問題です。
受験生の解答とその割合をグラフにまとめると、次のようになります。
与えられた図から、「2本の対角線が垂直で、それぞれの真ん中の点で交わっている」ことから、正解は「ひし形」と求めることができます。
これに対し、「平行四辺形」と答えてしまった受験生は、与えられた図に次のように四角形を書き入れ、見た目で答えたものと考えられます。
これは、教科書や問題集などで一般的に表されるひし形が次のような向きであることが原因です。
図形の問題では、作図してみることは非常に大切な考え方ですが、この問題では、多くの受験生が自分で描いた図に翻弄されてしまったようです。
6(2)〔正答率67.9%〕(3)〔正答率12.6%〕数の性質(倍数・公倍数)
(2)(多かった誤答)「50個」10.8% 「49.5個」8.7% 「無答」6%
(3)(多かった誤答)「16個」23.5% 「無答」19.8% 「33個」19.2%
問題では、2つの数の集まりA・Bが与えられています。
数の集まりA{ 1 、2 、3 、4 、5 、…… 、97 、98 、99 }
数の集まりB{ 100 、101 、102 、103 、104 、…… 、197 、198 、199 }
(1)は、Aの中にある2の倍数の個数を求めます。
考え方は、99÷2=49あまり1 で、あまった1は最後の数99が相当するので、2の倍数は「49個」、とするのが正解です。これを、あまった数の意味を考えずに49+1=50(個)としたり、また、99÷2=49.5 とし、四捨五入や小数のまま答えてしまうと、誤答のようになります。
(2)は、Bの中にある2と3の公倍数の個数を求めます。
考え方は、まず「2と3の公倍数」を「6の倍数」と変換することから始まります。そして、次のように、区間ごとに分けて6の倍数の個数を求めていきます。
①1から199まで … 199÷6=33あまり1 で、33個。
②そのうち1から99まで … 99÷6=16あまり3 で、16個。
③このことから、100から199までには、33-16=17(個)とします。
これに対し、多かった誤答の「33個」は、区間①の個数を答えています。また、「16個」の方は、Bの中に数が100個あることから、100÷6=16あまり3 より16個と答えたことが原因のようです。
なお、無答が多かったのは、区間ごとに分けることを思いつくことができず、この先の方針が立たなかったので問題に手を付けなかったものと考えられます。
小5
国語
平均点/満点 | 57.6点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 29問 |
1(漢字の読み書き)の正答率が想定を大きく下回りましたが、それ以外の大問正答率が想定に近い結果となったため、全体としては想定をやや下回る結果になりました。
5(論理的文章の読み取り)は、後半の選択問題の無答率がやや高めになっていました。文章が長く、時間のかかる記述問題・抜き出し問題が途中に配置されていたため、時間切れを起こした受験生が多かったようです。
1(6)〔正答率69.3%〕漢字の書き 勝負
(多かった誤答)「勝」の漢字ミス11.2% 「勝」のみ5.1% 「勝敗」4.5%
「勝」の右側を正確に書けていない答案が目立ちました。「勝」の横棒が3本になっているものが最も多く、右のはらいが2本目の横棒の下から出ているものなどがありました。漢字は目で覚えるだけではなく、実際に書いて覚えることが重要です。
また、「勝敗」という誤答も目立ちました。「負」も「敗」も、ともに「負ける」という意味を持つ漢字ですが、「ブ」と読むのは「負」だけです。漢字の書き取り問題では、漢字の意味だけでなく音にも注意する必要があります。
1(9)〔正答率14.4%〕漢字の書き 医院
(多かった誤答)「委員」67.0% 「季員」5.0%
「委員」の誤字である「季員」を含めると、全体の7割以上の受験生が「委員」と答えようとしていました。問題文には「かかりつけのイイン」とあり、言葉の意味がわからなかったと思われます。小学5年生にとって日常生活ではあまりなじみのない言葉であったようです。しかし、「医院」と「委員」の区別は同音異義語の問題としては典型題です。これを機に言葉の意味、「医院」と「委員」はどのように使い分けるのかを確認しておくとよいでしょう。
2(7)〔正答率14.0%〕主語述語
(多かった誤答)「主語 ✕・述語 ウ」39.2% 「主語 ア・述語 ウ」18.7%
「世界中にたくさんあります、不思議なことは。」という倒置の文の主語述語を答える問題です。全体の4分の3以上の受験生が述語を正解の選択肢ウと答えていました。しかし、主語が選択肢オ「ことは」という選びにくいものとなっており、正答率が伸びませんでした。主語とは「何が」「何は」であるという基本をもう一度頭に入れておきましょう。
4(2)〔正答率55.3%〕記述 空所補充 家族の人数
(多かった誤答)「四」20.5% 「三」10.2%
「 ① 人家族になった」の ① にあてはまる漢数字を答える問題です。
最も多かった誤答は「四」でした。朝食の場面では「ママ」「おばあちゃん」「解人」しか出てこないので「三」と答えたり、「パパ」を含めて「四」と答えたりしたと考えられます。しかし、「おばあちゃん」と「おひこさん(=ひいばあさん)」が住んでいたところに、解人たちの家族(=パパ・ママ・解人)が引っ越してきました。そして、朝食の時点では「おひこさん」は「まだ眠って」いました。「五」より少ない数字を答えた受験生は、この設定を見落としていたと考えられます。
登場人物が出てきた場合は、文章に印を入れるなどして、見落とすことがないように注意しましょう。
4(3)〔正答率25.3%〕抜き出し 口をつぐんだ理由
(多かった誤答)「2 無答」44.6% 「2 山神様のイタズラだとやり」など 7.7%
解人が「しゅるしゅるぱん」と言いかけて口をつぐんだ理由です。
1 は76.9%の受験生が正解していましたが、 2 は29.2%の受験生しか正解できていませんでした。最も誤答で多かった「山神様のイタズラだとやり過ごす」という内容は、間違いではないのですが字数に合いません。似た内容の「なんでも神様のせいにする」が正解です。正解は傍線部から離れており、十二字の言葉を探す根気強さが求められました。
5(5)〔正答率46.5%〕選択肢 内容真偽
最も多かった誤答は選択肢ウでした。本文の最後に「クロマグロを飼いはじめて32年目のことでした」とあるので、「研究を始めてから32年かかった」とある選択肢ウを選んだと考えられます。
選択肢ウは「クロマグロを実験場のふ化水そうの中で人工ふ化させる」研究に「32年かかった」と述べられています。しかし、「研究をはじめて9年後」にクロマグロが生けすのなかで産卵し、「人の手で卵をかえす人工ふ化にいど」んでいます。その結果、「ふ化には成功した」ので、選択肢ウは間違いです。
このように、選択肢を丁寧に読み解く力が大事です。論理的文章の最後の問題には.この問題のように、全体をよく読んで答える問題が出題される場合があります。本文と照らし合わせて選択肢を精査しましょう。
小5
英語
平均点/満点 | 66.1点/100点 |
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試験時間 | 25分 |
小問数 | 45問 |
この学力テストの小学生英語においては、小学5・6年生が同じ問題に挑戦するという実態調査の形をとっています。今後の英語学習の指針として、テストおよび結果をご活用ください。
1~3はリスニング問題、4~7は筆記問題となっていますが、3(あいさつや対話を聞いて理解できる)は、想定を大きく下回りました。また記述問題となる5(単語を書くことができる)では、小問ごとでの得点率に大きく違いがでています。特に(4)(5)の正答率は15.0%を下回る結果となりました。1・2などイラスト付きの問題では得点率が高くなりましたが、試験全体としての正答率は想定をやや下回りました。
1(3)〔正答率70.7%〕リスニング 英単語
(最も多かった誤答)「ア-leg」14.8%
「単語の聞き分け」の問題です。日常生活でよく見聞きする言葉が多く出題されているため正答率は全体的に高くなりました。ここでは、意外にも(3)の正答率が想定を下回りましたが、これはイラストから口(mouth)を想像していたものの選択肢にはなく少し戸惑いがあったものと思われます。また、(1)はリスニング問題の第1問目であることに加え、イラスト=皿が少し分かりづらかったようで正答率も84.0%と想定を下回りました。日常会話の中で使われている英語(物の名前等)は意外とたくさんあります。少し気にして身の周りを見てみるようにしましょう。
2(5)〔正答率59.2%〕リスニング 英文
(多かった誤答)「ア-It's seven fifteen now.」23.1%
「文の聞き分け」を問いました。この問題には紛らわしい英語の数詞(fifty / fifteen)の聞き取りがありましたが、意外にも選択肢ウ-It's seven ten now. を解答とした誤答も10%以上あり、正答率は想定を下回りました。
50-fiftyと15-fifteenは「アクセント」の位置や「音の伸ばし方」に違いがあります。fiftyは最初の音節にアクセントを置いて発音されます(fif・ty)。そしてfifteenのアクセント位置は2音節目です(fif・teen)。またfiftyの-ty部分は「ティ」と短く発音しますが、fifteenの-teen部分は「ティーン」と伸ばして発音します。普段から意識して発音するようにしましょう。
3(4)〔正答率43.8%〕リスニング 対話文
(最も多かった誤答)「イ-It's eleven thirty.」45.8%
3にはイラストや英単語・英文といった解答の手がかりとなるものがありません。ヒアリングのみで、その場で、短時間に判断して解答する必要があるために、難度が高くなり全体に正答率が低く、想定を下回る結果となりました。(3)(4)はともに疑問詞を使った疑問文の応答ですが、特に(4)When~?の時をたずねる疑問文では、選択肢イのIt's eleven thirty. のItを時を表すitと聞きとった誤答が多く、正答率が想定を大きく下回りました。
4〔各設問ごとの正答率〕筆記 アルファベット
アルファベットの書き取り問題ですが、小文字の方はなじみが薄く大文字とくらべてやや低い正答率となりました。特に(4)小文字のfでは、大文字Fの形をそのまま小さくしたものや、四線の位置づれ(特に中2線内での小さな文字)での誤答が目立っていました。
5〔各設問ごとの正答率〕筆記 英単語
「書く力」を試す問題です。日常生活の会話でもよく使われる英単語からの出題となっています。
小学校の学習指導要領で求められている「書く力」は、
①大文字・小文字を活字体で書ける
②簡単な語句や基本的な表を書き写すことができる。
となっています。
知っている(カタカナなら書ける)ことと、英語の綴りで書けることでは難度に大きな開きがあります。現段階ではそれほど結果を気にすることはありませんが、今後の学習において、英単語を学習する時には、カタカナ読みにならないよう、英語の音をしっかりと聞いて、声にだして確認しながら覚えるようにしましょう。
(4)ではrain→rein、とした誤答が圧倒的に多く、「似た音のアルファベットの混同」による綴りミスが原因となっていました。また正答率の低い(5)watchでは2文字子音(-ch)が含まれ、約18%が無答という結果になりました。
6(4)〔正答率43.0%〕選択 英文の理解
(多かった誤答)「ア-A boy wants to be a dentist.」29.9%
「英文を読む」こと自体の経験が少ない受験者も多かったと思いますが、答えのカギとなる英単語(イラスト)の難度によって正答率は変わりました。
(4)dentist(歯医者)、carpenter(大工)はなじみが薄く、正答率が想定を下回りました。(5)の前置詞byにはさまざまな意味がありますが、ここでは場所・位置を表す(~のそば)という意味で使われています。
7(5)〔正答率41.4%〕選択 会話文の理解
(最も多かった誤答)「イ-This car is old.」26.9%
「対話文を読み取る力」を問う問題です。会話として2人の「質問」と「返答」が不自然でなく成り立っていなければなりません。意味(内容)と文法の両方を正しく理解していくことが必要になります。(5)は疑問詞whichを用いた応答文ですが、mine、yours といった所有代名詞(~のもの)の使い方の理解も必要になります。また(1)では疑問文ではなく、否定命令文(~してはいけない)に対して返答する会話となっており、単にYes / Noでは答えていないので、しっかりと場面設定・状況がとらえられていないと誤答となってしまいました。
英語での日常会話には多くの基本的な対話パターンがあります。慣用句的な表現も多く、日本語から英語に訳しづらい表現も少なくありません。一朝一夕で身につくものではありませんが、口にだして暗唱することを習慣化していってください。
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