講評
2024年 11月実施 小3
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2024年 11月実施 小3
小3
算数
平均点/満点 | 61.1点/100点 |
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試験時間 | 30分 |
小問数 | 20問 |
ほぼ想定どおりの平均点になりました。1・2は想定を上回りましたが、3以降は想定を下回りました。
2(3)〔正答率62.8%〕文章題(ひき算・たし算)
(多かった誤答)「343人」13.7% 「425人」11.4%
(問題)
(3) ある日、図書館に来た大人の人数は 384 人で、子どもは大人より 41 人少なかったそうです。この日、図書館に来た大人と子どもの人数は、あわせて 人です。
この問題の解き方としては、まず、問題文の1文目から、子どもの人数である 384-41=343(人)を求めます。最も多かった誤答の「343人」はこれを解答したもので、残りの問題文をすべて読み飛ばしたことが原因です。
2番目に多かった誤答の425人は、384+41を計算すると求められます。こちらは、問題文から、「大人は 384人」「子どもは 41人」「あわせて」の項目をつなげて解いたものです。
文章題では、「条件を正しく読み取ること」と「問われていることに答えること」が大切です。日ごろから心がけるようにしましょう。
6(1)〔正答率31.8%〕立体図形(長さ)
(最も多かった誤答)「105cm」18.4%
図のような、箱のまわりに結んだリボンの長さを求める問題です(結び目の部分は20cm)。
正しい考え方は、24cm と 26cm の部分が2か所ずつなので、24×2+26×2+20=120(cm)です。
最も多かった誤答の「105cm」は、箱の3辺の長さをすべてたし合わせ、25+26+35+20を計算したものです。
この他にも、結び目の長さを忘れて 12×2+15×2=100(cm)としたもの(13%)、図の見えている部分のみの長さを求め、24+26+20=70(cm)としたもの(12%)など、正確な図の読み取りができていないことや、問題文に書かれている条件の見落としが原因の間違いが多く見られました。
7(2)〔正答率16.0%〕数作り
(多かった誤答)「桁の大きい数を操作した誤答」26.7% 「無答」22.3%
図の8枚のカードを使って、小さい方から2番目の8桁の数を作ります。
このような問題では、最初にいちばん小さい数を作り、位の小さい数を入れ替えます(10012249 → 10012294 … 答え)。
このように、この問題では上6桁の 100122 は入れ替える必要はありませんが、不正解者の多くは上の桁を入れ替え、11002249 や 20011249 などを答えていました。なお、上5桁が正しく書けている不正解は6%しかありませんでした。
また、無答が多かったのは、問題の配置(全20問中19問目)による影響が大きかったものと考えられます。
小3
国語
平均点/満点 | 54.9点/100点 |
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試験時間 | 30分 |
小問数 | 25問 |
読解問題(4(文学的文章の読み取り)・5(論理的文章の読み取り))の得点がともに伸び悩んだために、試験全体の正答率は想定を下回りました。特に、4(文学的文章の読み取り)の正答率は想定を15%以上下回っています。
また、2(知識・文法)では文法の問題((5)~(7))がいずれも10%前後想定を下回っており、文法の学習に課題が残る結果になりました。
1(7)〔正答率33.6%〕漢字の書き 点火
(多かった誤答)無答27.2% 「天火」16.8% 「火」のみ答えたもの12.4%
問題中の例文(石油ストーブにテンカする。)をもとに、「テンカ」を漢字で書く問題です。
この問題の正答率は33.6%と低くなっていますが、実際の答案を見てみると全受験生の約71%が「火」を正しく書けていました。その一方で、「点」を正しく書けていた答案は全受験生の約35%に留まり、ほとんどの誤答は「点」を正しく答えることができていませんでした。つまり、この問題においては「点」を正しく書けるかどうかが、得点の分かれ目になっていたことがわかります。
「点」には、「テン」という音読みに加えて、「点(つ)ける」という訓読みもあります。こうした知識を応用することで、「点火」が「火を点ける」という意味の熟語であることが理解でき、学習に深みがでてきます。複数の読み方をもつ漢字は多くあるので、読み方によって意味がどのように変わるかを意識しながら学習するよう心がけてください。
2(4)〔正答率28.2%〕国語辞典に出る順
(多かった誤答)「ア→イ→エ→ウ」47.7% 「ア→イ→ウ→エ」8.5%
「き」から始まる四つの言葉(ア=きよう イ=きよらか ウ=きょうふ エ=きょうしつ)を、国語辞典に先に出ている順に並べかえる問題です。
誤答のパターンは限られており、誤答した受験生の大半は「ア→イ→エ→ウ」もしくは「ア→イ→ウ→エ」と答えていました。
これら2つの誤答と、正解の「ア→エ→ウ→イ」とを見比べると、1語目にアがくることは多くの受験生が正しく判断できていますが、2語目にエがくることを正しく判断できず、イを選んでしまったために誤答していることがわかります。
ア~エはいずれも「き」から始まっており、1字目では順番が決まりません。2字目はア・イが「よ(普通の字)」、ウ・エが「ょ(小さい字)」です。
国語辞典には、「小さい字(ゃ・ゅ・ょ・っ)は普通の字(や・ゆ・よ・つ)よりも後にくる」というルールがあります。このルールに従えば、ア・イ(2字目が「よ」)は、ウ・エが(2字目が「ょ」)よりも語順が前になりそうです。しかしこのルールが適用されるのは、さらに直後の字(ここでは3字目)がそれぞれ同一、もしくは後に続く字がない場合です。3字目の五十音順が他の語よりも後である場合、辞書の掲載順は他の語よりも後になります。すなわち、この問題では3字目以降の五十音がそれぞれ違っているため、3字目以降の五十音順が、2字目の「普通の字→小さい字」というルールよりも優先されます。
多くの受験生が2字目の語順を間違えたのは、「五十音順にならべる」と「普通の字→小さい字」という、2つのルールの優先順位を誤ったためです。国語辞典を引く際は、1つ1つのルールを知るだけでなく、それぞれのルールの優先順位を理解していることが重要になります。辞書の引き方は日頃の学習にも活きる知識なので、しっかり覚えておきましょう。
4(3)〔正答率2.6%〕記述 指示語 そんなこと
(多かった誤答)※各誤答の数値は互いに重複している部分を含みます 問題の傍線部の直前の内容を使って答えたもの44.3% 無答33.8% 傍線部およびその直後の内容を使って答えたもの9.9%
本文中の指示語「そんなこと」が指している内容を、「~こと。」という形で記述する問題です。正解の内容を含む箇所が問題の傍線部からやや遠い場所にあったため、的確に答えられた受験生が少なく、正答率は低くなりました。
無答を除くと、誤答は二つのパターンに大別されていました。
最も多かったのは、問題の傍線部の1文前の内容(第一、おたすけ屋に来たばかりなのに、いったい、なにに感激したというのでしょう。)を使って答えたものです。指示語が指す内容はたいていその直前に書かれていますが、この問題のように、そうしたパターンにあてはまらないケースも多々あります。指示語の問題においては、指示語と答えは同一の内容を表している必要があります。「指示語=答え」という対応関係をきちんと検討せずに問題を解くと、このようなミスに陥りやすいといえます。また、傍線部の直前の文の字数が問題の解答字数の範囲内にたまたま収まっていたため、受験生の目にいかにも正解らしく映った可能性もあります。現に、この文をそのまま抜き出しただけで答え終わっている答案も多数みられました。
誤答として2番目に多かったのは、傍線部およびその直後の内容(そんなことは気にもしないふうに、ひん、とせきばらいをして、話をつづけました。)を使って答えたものです。「そんなこと」の内容を別の言葉で言いかえて説明することが求められている問題なので、傍線部をそのまま含む答案は正解にはなりません。
4(4)〔正答率17.5%〕選択 助太の気持ち
「あのう……、ぼくにたのみってなんですか?」とお客さんに尋ねたときの助太の気持ちを正しく説明している選択肢を選ぶ問題です。円グラフにも示したように、四者択一の問題であるにもかかわらず正解の選択肢ウを正しく選ぶことのできた受験生は17.5%に留まっており、誤答の選択率がいずれも高くなっています。
登場人物の心情を捉える問題なので、各選択肢の心情語(心情を直接表す言葉)に注目すると、それぞれ「ア=こわくなっている」・「イ=知られたくない」・「ウ(正解)=こまっている」・「エ=やる気になっている」となっています。正解の選択肢ウと選択肢ア・イは、いずれもネガティブな心情を表した言葉です。一方、選択肢エの心情語「やる気になっている」は、全選択肢中唯一ポジティブな心情を表す言葉です。選択肢エのように他とは内容の違いがきわだっている選択肢は通常選ばれにくいものですが、この問題においては選択肢エの選択率が33.6%と最も高くなっています。傍線部の直後で「おおっ! 引きうけてくれるのか!」と喜んでポジティブな心情を表しているのは、助太ではなくお客さんです。選択肢エで誤答した受験生は、登場人物(助太とお客さん)を取り違えた結果、助太の心情を捉え損なった可能性があります。あるいは、単に傍線の付近にポジティブな内容を示すセリフがあるのを手掛かりに、全選択肢中唯一ポジティブな心情表現を含む選択肢エを選んだ可能性もあるでしょう。
いずれにせよ、読解問題においては手近な情報に飛びつくのではなく、それまでの話の流れをふまえて答えを決定することが大切です。お客さんの登場以来、助太はずっと不安な気持ちを持ち続けており、その状況は文章の最後まで基本的には変化していません。今回のような誤読を防ぐためにも、ふだん本を読む際に「このセリフは誰が喋っているのだろうか」・「この文はどの登場人物の行動を説明しているのだろうか」等と逐一確認しながら正確に読み進めるよう心がけましょう。
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