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講評

2024年 6月実施 小6

小6

算数

平均点/満点 58.5点/100点
試験時間 40分
小問数 25問
1. 大問別正答率(想定と結果)

67は想定を上回りましたが、15の正答率が想定を下回り、平均点は、想定を少し下回る結果となりました。基本~応用レベルの問題でつまずいた受験生が多かったようです。

テスト 小6 算数 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

2(3)〔正答率62.9%〕速さの文章題
(最も多かった誤答)「3240km」17.2%

時速36kmで1時間30分かけて進む道のりを求める問題です。
正しい考え方は、1時間30分=1.5時間とし、36×1.5=54(km)です。これに対し、最も多かった誤答では、1時間30分=90分と換算し、36×90=3240(km)としています。
速さは、5年生で学習した「単位量あたり」のテーマの一部です。時速は「1時間あたりに進む道のり」なのですが、この理解度が、1時間30分の単位換算での違いに現れることになりました。

 

4(2)〔正答率59.9%〕(3)〔正答率11.0%〕表の利用

「スポーツ大会で行いたい競技のアンケート結果」として、次の3つの表が与えられています。

 

テスト 小6解答 算数 4-(2) 表1
テスト 小6解答 算数 4-(2) 表2
テスト 小6解答 算数 4-(2) 表3

 

(2)は、2学年140人のうち、バスケットボールを行いたいと答えた人の割合を求める問題です。

(多かった誤答)「29%」「29.9%」「約30%」など合わせて11.5% 「21%」9.7%

この問題は、〈表3〉の結果から、140人中21人の割合を求め、21÷140=0.15より15%とすると、素早くミスなく答えを導くことができます。
ところが、多かった誤答の29%のような解答をした受験生は、〈表1〉と〈表2〉を見て、次のように考えて解答していました。
まず、〈表1〉から11÷68=0.161…より16%(16.1%)、次に〈表2〉から10÷72=0.138…より13%(13.8%)。この2つの割合を合わせて、16+13=29%(16.1+13.8=29.9%)。
これは、別々の資料から算出された割合を合計しています。それぞれの表における割合の求め方としては正しいのですが、それぞれでもとにする量が違うので、算出した割合を足したり引いたりしてはいけません。このような考え方は、資料の扱い方を誤ってしまうことになるので、注意しましょう。
また、21%の誤答に関しては、〈表3〉のバスケットボールの人数を書いたものです。こちらは、表の見方(表の数値の意味)を間違えたことが原因です。

 

(3)は、〈表2〉の結果を次のように円グラフに表したとき、サッカーを表す部分の角度を求める問題です。

テスト 小6解答 算数 4-(3)

 

(多かった誤答)「90度」26.3% 「無答」25.0%

正答率が低く、無答も多かったことから、手を出しにくい難問であったことが理解できます。
90度と答えた受験生は、問題を解いたのではなく、見た目で判断して書いたものと考えられます。他に、91度や89度のような解答もありました。

 

7(1)〔正答率23.3%〕規則性
(多かった誤答)「224個」26.9% 「253個」13.5%

次のように、8から2024まで並んだ数の個数を求める問題です。

 

8 17 26 35 44 … 98 107 116 125 …… 2024

 

これは、最初の8から9ずつ大きい数が並ぶ等差数列です。このようなときは、まず「8に9を何回足して2024に到達したか」を考えて、(2024-8)÷9=224(回)。最初の8は1個目の数だから、全部で、1+224=225(個)が正解です。
誤答のうち224個の方は、先の考え方で、最後に8を1個目として数えることができていなかったことが原因と考えられます。
誤答の253個の方は、9ずつ大きくなることを考慮せず、2024÷8=253より253個としたものと考えられます。こちらは、規則性の理解ができていないことがわかります。

 

小6

国語

平均点/満点 56.1点/100点
試験時間 40分
小問数 29問
1. 大問別正答率(想定と結果)

2(知識・文法)は想定をやや上回ったものの、1(漢字の読み書き)が想定を大きく下回り、大問正答率が50%未満となりました。その結果、全体の正答率が想定をやや下回りました。
1(漢字の読み書き)は「能楽」「理念」「説法」「節度」など、語彙レベルの高い言葉が出題されていたことが、正答率の低さに影響しました。また、5(論理的文章の読み取り)は、選択問題の無答率はそれほど高くなかったものの、抜出問題・記述問題の無答率が25%を超えました。粘り強さが不足していたため、大問全体の得点は伸びませんでした。

テスト 小6 国語 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

1(5)〔正答率64.8%〕漢字の書き 指輪
(多かった誤答)「輪」の漢字ミス13.4% 「指輸」など6.5% 「指」のみ5.0%

誤答の大半が「輪」の漢字を正しく書けていませんでした。「輸」「論」などの誤答だけでなく、「侖」の部分を正しく書けていない答案が多く見られました。縦棒・横棒の本数が間違っているもの、縦棒・横棒が貫いているものなどがありました。漢字の形そのものが身についていない受験生が目立ちました。漢字ドリルなどを使った地道な反復練習が有効です。

 

1(9)〔正答率12.9%〕漢字の書き 説法
(多かった誤答)無答54.3%

正答率の低さ以上に目立つのが無答率の高さです。「説(せっ)」「法(ぽう)」と共に音便が変化しており、「釈迦に説法」という慣用表現を知らなければお手上げだったと思われます。漢字の問題ではありますが、実質言葉の知識を問う問題でした。これを機会に復習しておくとよいでしょう。

 

2(7)〔正答率54.0%〕修飾語

テスト 小6解答 国語 2-(7)

 

「おそらく」が修飾する言葉を選ぶ問題です。「おそらく」は呼応の副詞であり、後ろには「だろう」など決まった表現がきます。この文では「やってくるだろう、、、」を修飾しています。呼応の副詞は決まった言葉を含む文節を修飾するという性質を押さえる必要がありました。
最も多い誤答は選択肢ア「明日は」でした。「おそらく明日」でも、意味は通じるように感じたものと思われます。

 

4(4)〔正答率35.5%〕選択 お守りを作った理由

テスト 小6解答 国語 4-(4)

 

七海が自分の暮らしていた島の切り抜き記事をお守りにした理由を、2つ選ぶ問題です。正解の選択肢ウは7割以上の受験生が選んでいましたが、もう1つの正解の選択肢オは受験生の半数も選べていませんでした。
選択肢ウの内容は、「七海と島とのつながり」という、やや受験生には理解しづらいものでしたが、本文中の言葉をたどることで正解できたと考えられます。
一方、選択肢オ「学校でいじめられていることを誰にも相談できず、つらかった」という内容は、新しい学校でも友だちと仲良くやっているはずだという両親の期待に応えられないことが「情けなく思え」、「家でも息苦しく」感じている部分から、読み取らなければなりませんでした。島から都会にやってきた主人公が孤立を深めていくという状況を正確に把握できていなかったようです。
誤答で最も多く選ばれていたのは、選択肢イでした。「大切な島のことを思い浮かべていればいじめも気にならなくなる」という内容は理解しやすく、島の記事をお守りにしたことにもつながります。しかし、後半の「いじめも気にならなくなる」という内容は本文中にありません。選択問題は最後まで内容をよく精査することが大切です。

 

5(3)〔正答率58.4%〕選択 指示語 それ

テスト 小6解答 国語 5-(3)

 

「それは七千年くらい前のこと」の指示語「それ」が示す「時期」を選ぶ問題です。指示語の直前には、コメ作りを始めたという内容があるので、選択肢ウ「コメ作りを始めた時期」が正解です。最も多かった誤答は選択肢イでした。選択肢イの「長江の下流」「上海市の少し南」は、コメ作りを始めた「場所」なので間違いです。
指示語が指し示してるものが、後ろの文脈とつながっているかどうかを確認しましょう。

 

5(5)〔正答率38.0%〕記述 野生のイネを作り変えた理由
(多かった誤答)無答28.9%

無答率が高いものの、満点の答案が30.3%もありました。無答率と満点率のどちらも高いという珍しい結果となりました。諦めた受験生も多かったものの、手を動かして記述問題に取り組んだ受験生の多くは何らか得点することができたと考えられます。記述問題では、逃げずに取り組んで得点するという粘り強さが大切です。

 

小6

英語

平均点/満点 69.9点/100点
試験時間 25分
小問数 45問

この学力テストの小学生英語においては、小学5・6年生が同じ問題に挑戦するという実態調査の形をとっています。今後の英語学習の指針として、テストおよび結果をご活用ください。

 

1. 大問別正答率(想定と結果)

13はリスニング問題、47は筆記問題となっていますが、3(あいさつや対話を聞いて理解できる)は、想定を大きく下回りました。また記述問題となる5(単語を書くことができる)では、小問ごとでの得点率に大きく違いがでています。特に(4)(5)(6)の正答率は15.0%以下と低くなりました。12などイラスト付きの問題では得点率が高くなりましたが、試験全体としての正答率は想定をやや下回りました。

テスト 小6 英語 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

1(9)〔正答率88.8%〕リスニング 英単語
(多かった誤答)「ア-wolf」7.8% 無答0.1%

「単語の聞き分け」の問題です。日本語として聞きなじみのある言葉を中心とした出題となっているため正答率は全体的に高くなりました。ここでは、普段あまり使うことのない[名]turtle に関する聞き分けの正答率がやや低くなりました。意外にも⑴の正答率が想定を下回りましたが、これは本テストの第1問目であること、3つの選択肢のいずれも最初が(hair, head, hand)とh-で始まる英単語であることから少し戸惑いがあったものと思われます。日常生活の中で触れる英語(物の名前等)から少しずつでも英語に興味を持つようにしていきましょう。

 

2(3)〔正答率62.8%〕リスニング 英文
(多かった誤答)「イ-A girl is sitting.」29.1% 無答0.4%

「文の聞き分け」を問いましたが、この問題では英語の動詞(run / sit / laugh)の進行形(-ing)の聞き取りがあり正答率が想定を下回りました。どうしても最初は名詞の英単語に触れる機会が多くなり、動詞はなじみが薄くなってしまうことが原因だと考えられます。

 

3(1)〔正答率32.0%〕リスニング 対話文
(多かった誤答)「ア-Yes, you can.」46.1% 無答0.3%

テスト 小6解答 英語 3-(1)

 

3にはイラストや英単語・英文といった解答の手がかりとなるものがありません。ヒアリングのみで、その場で、短時間に判断して解答しなければならないため、難易度が高くなり全体に正答率が低く、大きく想定を下回る結果となりました。特に(1)はCan you ~? の疑問文でありYes や Noで答えることができる疑問文ですが、2人の会話が応答として成り立っているかどうかの判断、聞き分けも必要となったため、正答率が想定を大きく下回りました。

 

4各設問ごとの正答率〕筆記 アルファベット

 

 
小5
小6
(1) D
96.8%
99.3%
(2) H
95.3%
98.5%
(3) T
96.2%
98.3%
(4) b
93.0%
97.5%
(5) e
92.3%
96.6%
(6) v
96.9%
98.0%

 

アルファベットの書き取り問題ですが、なじみの薄い小文字も含め小6生は非常に高い正答率となりました。ただし(5)のeの正答率がやや低くなっていますが、大文字Eの形をそのまま小さくしたものや、四線の位置づれでの誤答が目立っていました。

 

5各設問ごとの正答率〕筆記 英単語

 

 
小5
小6
(1) bed
48.0%
67.1%
(2) piano
58.1%
72.3%
(3) nine
23.7%
36.6%
(4) boat
7.2%
13.5%
(5) racket
5.7%
13.8%
(6) eye
7.3%
14.9%

 

「書く力」を試す問題です。日常生活の会話でもよく使われる単語からの出題となっています。
小学校の学習指導要領で求められている「書く力」は、
①大文字・小文字を活字体で書ける
②簡単な語句や基本的な表を書き写すとができる。
となっています。
知っている(カタカナなら書ける)ことと、英語の綴りで書けることでは難易度に大きな開きがあります。現段階ではそれほど結果を気にすることはありませんが、今後の学習において、英単語を学習する時には、カタカナ読みにならないよう、英語の音をしっかりと聞いて、声にだして確認しながら覚えるようにしましょう。
ローマ字の表し方のルールと英語の表し方のルールは全く別のものです。
(4) boat→bout, boto, (5) racket→raket, raketto, (6) eye→aiといった誤答が多く、「似た音のアルファベットの混同」による綴りミスが原因となっていました。また正答率の低い(6) eyeでは約15%が無答という結果になりました。

 

6(1)〔正答率67.8%〕選択 英文の理解
(多かった誤答)「イ-That's a cucumber.」18.3% 無答1.6%

テスト 小6解答 英語 6-(1)

「英文を読む」こと自体の経験がない受験者も多かったと思いますが、答えのカギとなる単語(イラスト)の難易度によって正答率は変わりました。(3)時間を表す表現や(5)前置詞を使った表現の英文では比較的得点率が高く、意外にも(1)の正答率が想定を下回りました。これは「なす=eggplant」の難易度だけでなく、egg-(卵-)?と考えたことからの誤認識があったようです。

 

7(2)〔正答率38.8%〕選択 会話文の理解
(多かった誤答)「ア-Yes, it is.」46.0% 無答3.7%

テスト 小6解答 英語 7-(2)

「対話文を読み取る力」を問う問題です。「質問」に対する「返答」が不自然ではなく、会話として成り立っていなければなりません。意味(内容)と文法の両方を正しく理解していくことが必要になります。⑵はbe動詞の疑問文で、be from (場所)は「(場所)の出身である」という意味です。「返答」の選択肢の主語がアではit、イではshe となっており、ここではMary(メアリー)に対応するshe(人)を選択することになります。
英語での対話、日常会話をスムーズに進めるために大切なことは、基本的な対話パターンを身につけていくことです。頭の中で日本語から英語に訳しているとどうしても時間がかかります。また、日本語から英語に訳しづらい表現も少なくありません。一朝一夕で身につくものではありませんが、口にだして暗唱することを習慣化していってください。

 

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