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講評

2024年 6月実施 小5

小5

算数

平均点/満点 57.4点/100点
試験時間 40分
小問数 25問
1. 大問別正答率(想定と結果)

平均点は、想定より少し低い結果になりました。6以降の想定正答率の低い大問で想定を下回っており、応用レベルの問題にうまく対応できなかった受験生が多かったと考えられます。

テスト 小5 算数 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

2(5)〔正答率47.9%〕四角形と円の半径
(最も多かった誤答)「13.4cm」21.7%

問題は、次のようになっています。

(5) 図3のように、4つの同じ大きさの円がぴったりとくっついています。円の中心を直線で結んでできた、色のついた四角形のまわりの長さが53.6cm のとき、円の半径は  cmです。

テスト 小5解答 算数 2-(5)

 

この四角形の1辺の長さは、円の半径2つ分(直径)と等しいです。この問題では、1辺の長さである53.6÷4=13.4(cm)の誤答が最も多くありました。これは、四角形の1辺が、円の半径2つ分であることを理解できていない、すなわち、図を正しく見ることができていないことがわかります。

 

4(2)〔正答率24.1%〕文章題
(多かった誤答)「無答」40.7% 「68枚」11.5% 「136枚」6.2%

問題は、次のようになっています。

 

4 2種類のクッキーがあり、バタークッキーは1まい7.8g、チョコチップクッキーは1まい9.2gです。

(2) 2種類のクッキーが何まいかあり、あわせた重さは159.4gです。バタークッキーがチョコチップクッキーより3まい多いとき、チョコチップクッキーは何まいですか。

 

考え方は、まず159.4gからバタークッキー3枚分の重さを除き、2種類のクッキー同枚数の重さを求め、159.4-7.8×3=136(g)。そして、これを2種類のクッキー1枚ずつの重さで割り、136÷(7.8+9.2)=8(枚)とすると正解です。
これに対し、多かった誤答になる考え方は、先に求めた136gをクッキーの種類の2で割って、136÷2=68(枚)としています。
この問題は、無答が約半数で最も多くなりましたが、おそらく多くの受験生は136gまでは求められたが、その先の手が見えなかったものと思われます。68枚や136枚を解答した受験生は、苦し紛れに答えを書いたものと想像されます。

 

8(1)〔正答率63.8%〕(2)〔正答率31.1%〕規則性

問題では、次のように、数を並べる様子と、数の個数や和に関する表が与えられています。

テスト 小5解答 算数 8-(1)

 

テスト 小5解答 算数 8-(1)

 

(1)・(2)ともに「数の個数」と「数の和」を求める問題で、(1)は7段目、(2)は20段目です。2問とも、「数の個数」と「数の和」のいずれか一方が正しく求められると部分点が与えられます。
正答率は、(1)が63.8%、(2)が31.1%ですが、詳細な内訳は次のようになります。

 

正解 部分点 不正解
個数○ 和○ 解答× 無答
(1) 52.1% 22.1% 1.6% 9.0% 15.2%
(2) 17.0% 19.3% 8.9% 23.7% 31.1%

 

問題に5段目までが与えられているので、(1)は続けて書くことで正解できた受験生が多かったものと思われますが、(2)はその方法が現実的ではない(表から規則性に気づく必要がある)ので、正答率が半減し、無答率が倍増しました。
また、部分点の「個数○」と「和○」を比較してみると、書くことで解ける(1)は、数えるだけで正解できる「個数」に対して、計算を伴う「和」の割合が非常に小さくなっていますが、(2)は「和○」の割合が大きくなっています。これは、それぞれの規則性(「個数」…1から始まって2ずつ増える、「和」…段数の2乗)に対しての気づきやすさの割合と捉えることもできそうです。

 

小5

国語

平均点/満点 51.0点/100点
試験時間 40分
小問数 29問
1. 大問別正答率(想定と結果)

3(言葉の書きかえ)は、やや想定を上回りました。しかし、それ以外の大問が想定を下回ったため、全体としても想定を下回りました。特に、2(知識・文法)・4(文学的文章の読み取り)は正答率が70%を超えた大問が無く、その分正答率が伸び悩みました。5(論理的文章の読み取り)は、正答率30%を下回る問題が2問あり、また選択問題の正答率も40%だったため、大問正答率がほぼ40%という結果となりました。

テスト 小5 国語 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

1(9)〔正答率61.8%〕漢字の書き 研究
(多かった誤答)「研」の漢字ミス14.0% 「験究」など5.3% 「究研」など3.8%

全体の2割以上の受験生が、「研」を誤答していました。誤答の例としては、「研」の左側の「いしへん(石)」は正しく書けているものの、それ以外の部分を間違えた答案が多くありました。他には、「験」などの全く異なる字を答えたものや、漢字の語順が逆転している誤答(究研)もありました。
「研」・「究」はともに小学3年生配当の漢字です。また、「研究」という熟語は、国語の教材だけでなく、新聞や本でもよく目にする言葉です。これを機に、これまでに習った漢字をしっかり復習しておきましょう。

 

2(1)〔正答率40.5%〕・(2)〔正答率43.4%〕音読み訓読み

(1)
テスト 小5解答 算数 2-(1)
(2)
テスト 小5解答 算数 2-(2)

 

漢字の読みが、音読みか訓読みかを選ぶ問題です。音読みは中国から伝わったときの読み方をまねたもの、訓読みは日本語固有の読み方です。
単独で読んでも意味が通る読み方は訓読みであることが多いのですが、例外も多くあります。(1)「服(ふく)」は単独で読んでも意味は通りますが、音読みです。このような漢字は「肉(にく)」「愛(あい)」「絵(え・かい)」などがあるので、覚えておきましょう。
(2)「身」には「み」という訓読みの他に、「しん」という音読みもあります。読み方が複数ある漢字は注意が必要です。正答率が5割を下回ったということは、「身(み)」という言葉が日常生活で定着していないことがうかがえます。

 

2(6)〔正答率46.3%〕・(7)〔正答率38.2%〕修飾語

 

(6)
テスト 小5解答 国語 2-(6)
(7)
テスト 小5解答 国語 2-(7)

 

(6)・(7)は、いずれも述語を修飾する言葉を選ぶ問題です。
誤答は、(6)が選択肢エ「おはぎは」、(7)が選択肢オ「音が」にそれぞれ集中しました。いずれも      線部の主語であり、修飾語ではありません。「主語・述語の関係」と「修飾・被修飾の関係」を区別できていない受験生が多くみられました。主語述語と修飾語の基本をそれぞれ復習しておきましょう。

 

4(1)〔正答率62.1%〕選択 リオがおぼえていた理由

テスト 小5解答 国語 4-(1)

 

リオがさくやのことをよくおぼえていた理由を答える問題です。
誤答は選択肢イ・選択肢ウがともに15%以上を占めました。選択肢イの「絵本の企画を考えたさくやが名作の内容を知らない」、選択肢ウの「さくやが放送部の部長として周りにえらそうにふるまう」という内容はたしかに本文に書かれていますが、問われている理由には合いません。リオの「とても傷つきました」という心情語に注目していれば正解の選択肢アを選ぶことができます。
物語の大枠をつかむには、できごとだけでなく、心情語に注目してその変化を読み取ることが大切です。

 

4(3)〔正答率36.1%〕選択 なみだを流した理由

テスト 小5解答 国語 4-(3)

 

さくやが『セロ弾きのゴーシュ』を読んでなみだを流した理由を答える問題です。
最も多かった誤答は、選択肢アです。『セロ弾きのゴーシュ』では、最初ゴーシュが「みじめな気持ち」になっており、その部分から「ゴーシュがみじめな気持ちになっていた」という内容を含んだ選択肢アを選んだと思われます。しかし、ここで問われていることは「さくやがなみだを流した理由」であり、「さくやがゴーシュに同情した」という内容は本文中にはありません。
心情語に注目することは大切です。そこからさらに心情を整理して、その変化に注目すれば、より物語への理解は深まるでしょう。

 

5(5)〔正答率26.2%〕抜出 生息場所を見ることが大切な理由
(多かった誤答)無答26.1% 「こんな場所」10.8% 「自信を持って」6.0% 「その本当の」4.2%

フンボルトペンギンの生息場所を実際に見ることが大切な理由を、問題文中の空欄に合う形で本文中から抜き出す問題です。この問題の傍線部の直後にある文は、理由を表す表現「~なのだから。」で終わっています。このことを手掛かりに、傍線部の直後の一文に理由(=問題の正解)が書かれているのを読み取ることが解答上のポイントです。
また、この問題は正解が十八字と長いので、正解の内容を含む文が見つかったあとも、問題文中の空欄に合うように適切な形で言葉を抜き出すことが大切です。誤答の「こんな場所」「自信を持って」「その本当の」を本来の字数である十八字でぬき出しても、問題文にうまくあてはまりません。抜き出す言葉の字数を正確に数えましょう。

 

小5

英語

平均点/満点 63.9点/100点
試験時間 25分
小問数 45問

この学力テストの小学生英語においては、小学5・6年生が同じ問題に挑戦するという実態調査の形をとっています。今後の英語学習の指針として、テストおよび結果をご活用ください。

 

1. 大問別正答率(想定と結果)

13はリスニング問題、47は筆記問題となっていますが、3(あいさつや対話を聞いて理解できる)は、想定を大きく下回りました。また記述問題となる5(単語を書くことができる)では、小問ごとでの得点率に大きく違いがでています。特に(4)(5)(6)の正答率は10.0%以下と低くなりました。12などイラスト付きの問題では得点率が高くなりましたが、試験全体としての正答率は想定をやや下回りました。

テスト 小5 英語 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

1(9)〔正答率81.3%〕リスニング 英単語
(多かった誤答)「ア-wolf」12.5% 無答0.2%

「単語の聞き分け」の問題です。日本語として聞きなじみのある言葉を中心とした出題となっているため正答率は全体的に高くなりました。ここでは、普段あまり使うことのない[名]turtle に関する聞き分けの正答率がやや低くなりました。意外にも(1)の正答率が想定を下回りましたが、これは本テストの第1問目であること、3つの選択肢のいずれも最初が(hair, head, hand)とh-で始まる英単語であることから少し戸惑いがあったものと思われます。日常生活の中で触れる英語(物の名前等)から少しずつでも英語に興味を持つようにしていきましょう。

 

2(3)〔正答率57.1%〕リスニング 英文
(多かった誤答)「イ-A girl is sitting.」30.9% 無答0.5%

「文の聞き分け」を問いましたが、この問題では英語の動詞(run / sit / laugh)かつ進行形(-ing)の聞き取りがあり正答率が想定を下回りました。どうしても最初は名詞の英単語に触れる機会が多くなり、動詞はなじみが薄くなってしまうことが原因だと考えられます。

 

3(1)〔正答率30.0%〕リスニング 対話文
(多かった誤答)「ア-Yes, you can.」50.6% 無答0.6%

テスト 小5解答 英語 3-(1)

 

3にはイラストや英単語・英文といった解答の手がかりとなるものがありません。ヒアリングのみで、その場で、短時間に判断して解答しなければならないため、難易度が高くなり全体に正答率が低く、大きく想定を下回る結果となりました。特に(1)はCan you ~? の疑問文でありYes や Noで答えることができる疑問文ですが、2人の会話が応答として成り立っているかどうかの判断、聞き分けも必要となったため、正答率が想定を大きく下回りました。

 

4各設問ごとの正答率〕筆記 アルファベット

 

 
小5
小6
(1) D
96.8%
99.3%
(2) H
95.3%
98.5%
(3) T
96.2%
98.3%
(4) b
93.0%
97.5%
(5) e
92.3%
96.6%
(6) v
96.9%
98.0%

 

アルファベットの書き取り問題ですが、大文字にくらべてなじみの薄い小文字で大文字とは形が異なる(4) B→b, (5) E→eで正答率がやや低くりました。(5)のeでは、大文字Eの形をそのまま小さくしたものや、四線の位置づれでの誤答が目立っていました。

 

5各設問ごとの正答率〕筆記 英単語

 

 
小5
小6
(1) bed
48.0%
67.1%
(2) piano
58.1%
72.3%
(3) nine
23.7%
36.6%
(4) boat
7.2%
13.5%
(5) racket
5.7%
13.8%
(6) eye
7.3%
14.9%

 

「書く力」を試す問題です。日常生活の会話でもよく使われる単語からの出題となっています。
小学校の学習指導要領で求められている「書く力」は、
①大文字・小文字を活字体で書ける
②簡単な語句や基本的な表を書き写すとができる。
となっています。
知っている(カタカナなら書ける)ことと、英語の綴りで書けることでは難易度に大きな開きがあります。現段階ではそれほど結果を気にすることはありませんが、今後の学習において、英単語を学習する時には、カタカナ読みにならないよう、英語の音をしっかりと聞いて、声にだして確認しながら覚えるようにしましょう。
ローマ字の表し方のルールと英語の表し方のルールは全く別のものです。
(4) boat→bout, boto, (5) racket→raket, raketto, (6) eye→aiといった誤答が多く、「似た音のアルファベットの混同」による綴りミスが原因となっていました。また正答率の低い(6) eyeでは約19.2%が無答という結果になりました。

 

6(5)〔正答率57.3%〕選択 英文の理解
(多かった誤答)「ア-A dog is on the chair.」21.4% 無答5.1%

テスト 小5解答 英語 6-(5)

「英文を読む」という機会がまだまだ少ないこともあり、(3)時間を表す表現、(5)前置詞を用いた表現には戸惑った受験生が多かったように思われます。単に、名詞の英単語(イラスト)が答えのカギとなる他の問題とくらべて、正答率は想定を下まわりました。(5)の前置詞の問題は正答率が57.3%にとどまりましたが、前置詞にはたくさんの種類があります。英単語のように単に意味おぼえるのではなく、英文の中で前置詞の使い方といっしょにイメージで覚えるようにしましょう。

 

7(2)〔正答率39.4%〕選択 会話文の理解
(多かった誤答)「ア-Yes, it is.」38.6% 無答8.3%

テスト 小5解答 英語 7-(2)

「対話文を読み取る力」を問う問題です。「質問」に対する「返答」が不自然ではなく、会話として成り立っていなければなりません。意味(内容)と文法の両方を正しく理解していくことが必要になります。(2)はbe動詞の疑問文で、be from (場所)は「(場所)の出身である」という意味です。「返答」の選択肢の主語がアではit、イではshe となっており、ここではMary(メアリー)に対応するshe(人)を選択することになります。
英語での対話、日常会話をスムーズに進めるために大切なことは、基本的な対話パターンを身につけていくことです。頭の中で日本語から英語に訳しているとどうしても時間がかかります。また、日本語から英語に訳しづらい表現も少なくありません。一朝一夕で身につくものではありませんが、口にだして暗唱することを習慣化していってください。

 

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