講評
2024年 6月実施 小3
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2024年 6月実施 小3
小3
算数
平均点/満点 | 59.7点/100点 |
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試験時間 | 30分 |
小問数 | 20問 |
4以外の正答率は想定を少しずつ下回りましたが、4は想定を上回り、全体としてはほぼ想定通りの平均点となりました。
2(6)〔正答率44.2%〕分配についての問題
(最も多かった誤答)「8個」20.7%
次のような問題です。
(6) ゆいさんは、イチゴを妹より11 こ多く持っていましたが、3こ食べたあと、妹に こあげたので、2人の持っているイチゴの数が同じになりました。
問題文1行目から、はじめに11-3=8(個)になることは分かりますが、ここで求めた8個を答えた誤答が最も多くなりました。
この8個は2人の持っているイチゴの個数の差なので、次に2人の持っているイチゴの数を等しくすることを考える必要があり、正解は8÷2=4(個)です。
なお、テストの前半に配置された問題ですが、無答が約14%ありました。これは、登場人物が持っているイチゴの具体的な数が書かれてないことが影響しているのかもしれません。
5(1)〔正答率30.3%〕(3)〔正答率32.4%〕平面図形
次の、1辺8cmの正方形に関する問題です。
(多かった誤答)「6cm」18.5% 「12cm」15.2%
問題は、次のようになります。
(1) 右の図のように、この正方形の、左から2cm、下から2cmのところに直線を引きました。色のついた四角形のまわりの長さは何cmですか。
色のついた四角形は、1辺6cmの正方形になります。
多かった誤答2つは、1辺の長さと2辺の長さの和を答えたものになります。ここでは「まわりの長さ」の理解が、正解できたかどうかのポイントになりました。
(最も多かった誤答)「6個」36.4%
問題は、次のようになります。
(3) (2)のあと、右の図のように直線を引きました。この形の中に、直角三角形は全部で何こありますか。ただし、いくつかの形でできた直角三角形もかぞえます。
最も多かった誤答が、正解を少し上回りました。
見えるまま(単独)の直角三角形をかぞえると6個あります。ところが、問題文の最後「ただし、いくつかの形でできた直角三角形もかぞえます。」から、直角三角形はさらに2個存在することになり、正解は8個です。
このように、「ただし」以降に書かれた内容の意味を考えずに解いた受験生が多くいたことがわかります。
6(1)〔正答率31.1%〕数の列・使うカード
(最も多かった誤答)「無答」21.8%
問題は、次のようになります。
次のように、左から小さいじゅんに1 から99 までの数が、間を「,」で区切られてならんでいます。
1, 2, 3, 4, …, 9, 10, ……, 97, 98, 99
これをカードを使って表すと、次のようになります。
1 , 2 , 3 , 4 , … , 8 , 9 , 1 0 , …… , 9 7 , 9 8 , 9 9
(1) このとき使うカードのうち、まい数がいちばん少ないものはどれですか。また、そのカードは全部で何まい使いますか。
このように、枚数が一番少ないカード(正解は 0 )と、その枚数(正解は9枚)を答える問題ですが、いずれか一方が正解できれば部分点が加点されます。
正答率は31.1%ですが、そのうち、2つとも正解できたものは22.6%で、一番少ないカードだけは正解できた答案は19.6%、枚数だけの方はほぼ0%でした。すなわち、一番少ないカードだけは正解できていた受験生が約42%(22.6%+19.6%)いたことから、カードを答える問題は難問ではなかったといえます。
無答の受験生の中には、「2つとも解答しないといけない」と考えて答えを書かなかった受験生がいるかもしれません。テストでは、求めた答えは解答するように心がけましょう。
小3
国語
平均点/満点 | 50.1点/100点 |
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試験時間 | 30分 |
小問数 | 25問 |
3(言葉の書きかえ)・読解問題(4・5)がいずれも想定を大きく下回っていたため、試験全体の正答率も低くなりました。読解問題(4・5)は、各小問の正答率が低いだけでなく無答率も高くなっており、時間配分や見直しといった試験の受け方を含めて課題の残る結果になりました。
1(3)〔正答率31.4%〕漢字の読み 頭角
(多かった誤答)無答23.4% 「ずかく」22.9% 「とうがく」9.4%
問題の例文(彼はめきめき頭角をあらわした。)をもとに、「頭角」の読みをひらがなで答える問題です。「頭(とう)」・「角(かく)」の読み方はいずれも標準的ですが、「頭角をあらわす」という慣用表現の意味を知っていないと正解するのは難しい問題だったといえます。
この問題を復習する際は、「頭角」という熟語の読みを覚えるだけではなく、「頭角をあらわす」という慣用表現の意味を理解した上で、その表現が「めきめきと」という修飾語を伴って使われることが多いことを含めて総合的に学ぶことを意識しましょう。
2(4)〔正答率29.5%〕言葉のつかい方 らんらんと
選択肢ア「えさをさがしてくんくんとかぎ回る。」・選択肢イ「泉から水がこんこんとわき出ていた。」・選択肢ウ「太陽がさんさんとふりそそいでいる。」・選択肢エ「おじさんの話はらんらんとつづいた。」の中から、下線部の言葉の使い方が誤っているものを一つ選ぶ問題です。
正解(=下線部の語の使い方を誤っている選択肢)は選択肢エですが、この選択肢を正しく選べた受験生は3割未満でした。一方、選択肢イを選んだ受験生は全体の6割近くに及びました。「こんこん」はキツネの鳴き声を表す語として幼児期に出会うケースが多い表現です。そのため、その例にあてはまらない例文を出題されると誤りだと判断しやすいのかもしれません。「こんこんと」に限らず、一つの表現が複数の意味をもつ例は多くあります。すでに見知った語であっても辞書をこまめに引くなどして、小学校中学年以降の学習内容に対応可能な語彙力を身につけてください。
4(1)〔正答率66.4%〕選択 副詞
(多かった誤答)「A ウ B エ C イ」16.3% 「A ウ B ア C イ」3.3%
文学的文章の本文中に3つある空欄A~Cにあてはまる副詞を、選択肢ア~エから1つずつ選んで答える問題です。完答形式なので、空欄A~Cすべてを正しく答えないと正解になりません。
正解は「A ア B エ C イ」ですが、空欄Aに選択肢ウをあてはめた受験生が全体の20.1%いました。選択肢ウが誤答の大きな要因になっていたことがわかります。
完答形式の問題においては、複数の空欄にあてはまり得る選択肢が存在する場合もあります。また、この問題の選択肢ウのように、結果的にいずれの空欄にもあてはまらないダミー選択肢が設けられている場合があります。回答する際にはこうした紛らわしい選択肢に注意して、着実に消去法を駆使して答案を完成させることを意識して下さい。
4(3)〔正答率39.2%〕選択 「ぼく」の気持ち
傍線部「ぼくは、しょんぼりうつむいた」と、本文中の内容をもとに、「ぼく」の気持ちの説明として適切なものを一つ選ぶ問題です。
誤答選択肢の中では、選択肢エの選択率が最も高くなっていました。選択率が高くなったのは、選択肢エに妥当な心情語(おちこんでいる)が使われているからだと考えられます。心情語以外の部分(「自分が仕返しをしたせいで、ゆうやはもういっしょに遊んでくれないだろうと思い」という表現)の真偽を本文に照らして確かめることで正誤を判断する必要があります。無論そのような内容は本文中に書かれていないので、選択肢エは間違いになります。
このように、文字数の多い選択肢はいくつかのパーツに分割します。その上で、各選択肢で同様の役割を果たしているパーツを比較検討することによって、各選択肢の違いが明確になり、正解を選びやすくなります。また、選択肢の一部に正しい内容が書かれているからといって正解になるとは限りません。国語の長文読解問題では、学年が上がるにつれて、より丁寧に消去法を行って正解を選ぶ力が求められるようになります。間違った問題を復習する中で、自分が選択肢中のどのポイントを十分に検討できていなかったかを検証しておきましょう。