講評
2023年 11月実施 中3
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2023年 11月実施 中3
中3
数学
平均点/満点 | 57.8点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 27問 |
平均点は想定通りの結果となりました。2~4は想定を上回りましたが、5~7は想定を下回っており、問題の後半に十分な時間を残すことができなかった受験生が多かったようです。
2(8)〔正答率45.9%〕空間図形(立体の展開図)
下のような展開図となる立体の表面積を求める問題であり、約半数の受験生が正解できていましたが、無答率が20.5%と、小問集合の中では比較的厳しい結果になりました。
図のような立体の完成図を描いてみることが大切であり、イメージが出来なかった受験生にとっては解答するのは難しかったでしょう。
5(2)〔正答率18.1%〕図形の性質と証明(三角形の合同)
図形(合同三角形)についての証明問題です。三角形の合同条件の記述部分をいくつかの要素に分け、要素ごとに2点ずつの部分点(合計8点)を与える方式で採点しています。採点結果の内訳は次のようになりました。
①8点 … 2.8%
②6点 … 3.9%
③4点 … 10.3%
④2点 … 28.3%
④無答 … 23.6%
正しい記述部分があれば部分点が与えられる場合が多いので、無答は避けましょう。
まずは右のように、図中で長さが同じ辺や大きさが同じ角などに印をつけていくことが大切です。最後の合同条件まで書けなくても、判明した共通辺または共通角について、少しでも記述するようにしましょう。
6(1)〔正答率32.6%〕2次方程式の活用(辺の長さ)
(最も多かった誤答)「18cm」16.9%
問題文中に「横が縦より6cm長い長方形~」とあるので、下の図のように、縦をxcmとすると横は(x+6)cmと表すことができます。あとは、与えられた数値を用いて2次方程式を解くと、x=18(cm)と求まります。ただし、質問されているのは「横の長さ」なので、18+6=24(cm)と答えなければいけません。「18cm」と答えた受験生は、答えを書く前にもう一度問題文を読んで、質問内容を再確認する習慣をつけておきましょう。
中3
国語
平均点/満点 | 51.1点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 29問 |
想定を下回った2(知識・文法)以外の大問は想定を大きく離れた問題はなく、全体的には少し想定を下回った結果となりました。
2(知識・文法)の(4)・(5)は文法問題でしたが想定を大きく下回りました。「連体詞」や「文節」といった、入試問題でもよく問われる問題での失点が目立ちました。
2(4)〔正答率18.0%〕連体詞
「この」と同じ品詞(連体詞)の言葉を選ぶ問題です。
最も多くの受験生が選んだ選択肢ア「あそこ」は、「この」と同じく指示語です。しかし、品詞は「名詞」です。指示語には名詞と連体詞の2種類あります。入試でもよく問われる問題です。
選択肢イ「わずかな」も多くの受験生が選んでいました。連体詞には「いろんな」「おかしな」「こんな」など、「~な」で終わる言葉があります。これらの連体詞と、「わずかな」などの形容動詞の連体形「~な」は形が似ています。「~だ」と活用をさせて意味が通じるかどうかで見分けることができます。
2(5)〔正答率61.9%〕文節
(多かった誤答)「七」15.3%
最も多かった誤答「七」と答えた受験生は、正解「六」より1つ多く文節を数えていました。
この問題で紛らわしい部分は「要請する」です。「~する」という言葉は1文節で数えます。一方、「要請をする」のように、「~をする」となっている場合は2文節で数えます。
3(1)〔正答率45.1%〕選択 おじの気持ち
誤答は、選択肢エに集中しました。
選択肢エの、おばが本心ではおいを受け入れていることをおじが理解しているという内容は、一見するともっともらしいですが、本文中にはありません。
本文中に根拠を求める姿勢が読解問題の得点アップにつながります。
3(3)〔正答率60.9%〕選択 言いかえ おばらしい点
最も多かった誤答は選択肢エでした。後半部分の「静かに」という部分は、静かに生きてきたおばらしいといえます。しかし、前半部分の「苦しまず」は本文中にありません。おばが亡くなったときの様子は書かれていません。
選択肢問題では、一部の部分が正しくても細かいところで正しくない内容が含まれているものもあります。一つ一つの選択肢の内容を吟味するクセをつけましょう。
4(1)〔正答率21.4%〕抜出 言いかえ 逆の効果を持つ
(多かった誤答)「多様性の尊」51.0%
誤答の大半は「多様性の尊」でした。省略せずに抜き出すと「多様性の尊重とは真逆の、分断の進行」となります。問題で指定された字数とは合っていますが、「逆の効果を持つ」という言葉を説明するのに「真逆の」という言葉を使っています。言いかえ問題では、傍線部の言葉と自分の抜き出した答えが過不足なく同意表現になっているかどうかを確かめる必要があります。
5(3)〔正答率37.7%〕選択 言いかえ 夫婦たること初めの如し
選択肢アと選択肢エを選んだ受験生がそれぞれ2割程度いました。
選択肢アには「新婚当時のように」、選択肢エには「初めは」という言葉が含まれています。傍線部の「初めの如し」の意味を取り違えています。この文章では後ろにまとめがあり、「翁(=老いた夫)を得たり」とあるので、龐倹の母が行方不明の夫と夫婦に戻ったことがわかります。
漢文や古文では全体像を問う問題がよく出題されます。話の結末に注目すれば内容も理解しやすくなります。
中3
英語
平均点/満点 | 57.3点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 27問 |
1(リスニング)・4(整序)は、想定を大きく上回り、逆に2(文法)・3(書きかえ)では想定を大きく下回りました。5(英作文)では少し苦戦を強いられたようです。読解問題(6・7)は、ほぼ学年相応に身についているといえます。
3(2)〔正答率49.1%〕書きかえ 受動態
My father wrote these letters. を受動態の文にする問題です。与えられた These letters ( ) ( ) ( ) my father. に適当な語を入れます。
(多かった誤答)was written by 26%
この問題のポイントである受動態の表現方法〈be動詞+過去分詞〉は、多くの割合で認識できているにもかかわらず、得点に至らなかったケースが少なからず見受けられました。受動態の文では時制をbe動詞で表すという点と、ここでは主語が複数形であるという点、これらの2点を踏まえて were を用いるというところまで至れなかったのは、ポイント理解自体はできているだけにとてももったいなく感じられました。
4(1)〔正答率45.5%〕整序 接続詞 if
(ア it イ you’re ウ if エ do オ a )free. を並べ替えて2番目と4番目にくる語を答える問題です。不要な語が1語ふくまれています。
(多かった誤答)エイ 17.7%
考える手順としては、free の前には you’re、その前には if しか置けないのでまず if you’re free がまず定まり、it を主語にすると対応する動詞がないので命令文を考えて Do it if you’re free.(アイ)「もしもひまならそれをしなさい」となります。誤答として多かったエイでは if節の使い方は理解しながらも、命令文に気付かずに主語+動詞の語順を優先させたことで意味の通らない表現 It do if you’re free. となってしまったものと思われます。
6(1)〔正答率42.4%〕読解
本文中の下線①が指す内容を選択肢の中から選ぶ問題です。I’ve just remembered ①something.の直後に続く文にその内容が書かれています。
I visited a museum last month, and there was a QR code at the entrance. I had a smartphone, so I tried *scanning it. Then I was able to listen to a voice that guided me around the museum.
*読み取る
正解となるアと、最も誤りの多かったウを比較すると
ア Mike used a QR code and had a voice guide while he was exploring the museum.
ウ Mike scanned a QR code and listened to a voice that took him to the museum.
QRコードを使う(読み取る)までは、表現の仕方が異なるものの内容的にはほぼ同じですが、そこで得た音声がどこを案内してくれるかという点が異なります。美術館で読み取ったQRコードの音声が(その同じ)美術館に連れて行ってくれたということはないのでウは正解から外れることになります。
中3
理科
平均点/満点 | 56.0点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 36問 |
平均点は、想定通りの結果となりました。6(1分野の総合問題)で想定をやや下回りましたが、3(電気分解の応用問題)は難問ながらも健闘した受験生が多く、想定をやや上回りました。
1(8)〔正答率19.9%〕気象観測データの読み取り
このような問題では、まずは気温・湿度・気圧のグラフがそれぞれどれなのかを決めることが大切です。その中で特に決めやすいものは気温であり、晴れている日であれば昼過ぎにかけて気温が上昇し、その後は下降していくグラフ、つまりYが当てはまります。この判断ができるだけで、選択肢アとイはいずれも誤った文であると分かり、解答から除外することができます。
しかし、実際には選択肢アを選んだ受験生が18.4%、選択肢イを選んだ受験生が24.1%いました。今後同じような問題を解くときは、晴天の条件下でまずは気温のグラフを決定し、その次に湿度のグラフを決定していくようにするとよいでしょう。
5(2)〔正答率28.7%〕等加速度運動のグラフ
問題中の図2からもわかるように、台車は一定の割合で速さを増しながら運動しています。このような運動を等加速度運動といい、これに当てはまるグラフを選択する問題です。
誤答として最も多かったのは選択肢ウ(水平グラフ)であり、29.9%の受験生がこれを解答として選んでいました。そのような水平グラフを選ぶのは、等速直線運動(速さが変わらない運動)における「時間と速さの関係」のときです。等速直線運動も入試によく出題されますので、今回のような等加速度運動とのちがいもふくめ、しっかり復習しておきましょう。
6(3)〔正答率32.1%〕過不足のある化学反応の質量計算
一般的に、金属が燃焼すると結びついた酸素のぶんだけ質量が増加します。このことに注目すると、この問いで銅に結びついた酸素の質量は、11.7-10.0=1.7(g)となります。あとは、1文目に書かれている「0.80gの銅を~十分に加熱して酸化させたところ、1.0gの酸化銅に」なった場合に結びついた、1.0-0.80=0.2gの酸素と比べて計算していけば、答えが求まります。
誤答として最も多かったのは「0.8g」であり、12.4%の受験生がこれを答えていました。問題文中にさまざまな数量が出てくるため混乱しやすく、その結果、文中の数値をそのまま答えるしかなかった受験生もいたのでしょう。このような問題では、数値だけでなく「銅」・「酸素」・「酸化銅」という語句(またはそれぞれの化学記号)も書きそえて整理することが大切です。
7(4)〔正答率47.0%〕花こう岩と玄武岩をつくる鉱物
花こう岩と玄武岩がそれぞれ表中のA~Fのどこに分類されるのかを選択する問題です。まずは、火山岩タイプ(表中のA・C・E)なのか、それとも深成岩タイプ(表中のB・D・F)なのかで区別することが重要です。
花こう岩は入試でよく出題される深成岩なので、正解はB・D・Fのいずれかなのですが、実際の誤答例としては選択肢Aが最も多く、14.8%の受験生がこれを解答として選択していました。中1のときの学習内容ですから、忘れている受験生も多かったのでしょう。この際に、岩石だけでなく中1「大地の変化」全般の覚え直しをしておきましょう。
中3
社会
平均点/満点 | 64.1点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 43問 |
2の正答率はほぼ想定通りでしたが、1・3・4・5の正答率が想定を上回ったため、全体としては、想定を上回る平均点となりました。1は地理・歴史・公民・時事の基本確認問題です。歴史分野でやや想定を下回る問題がありましたが、時事分野も含めおおむね想定を上回りました。3・4・5では記号問題に加え、記述で答える問題での得点ができていました。その結果、想定を上回る平均点になりました。
今回のテスト結果から得点できなかった分野・問題を中心に入試までの時間を活用し、計画的に弱点補強を行いましょう。
1(1)〔正答率50.5%〕農作物の輸出国
約半数の受験生は正解できていましたが、選択肢ウ(小麦)とする誤答が目立ちました。小麦の輸出国の上位には、ロシアやカナダ、フランスなどの国が入ります。主な農作物(特に穀物)の輸出上位の国と生産上位の国は、この機会に整理しておきましょう。
1(6)〔正答率28.6%〕江戸時代の政治改革
よく問われる江戸時代の政治改革の問題です。誤答の多くは、「享保の改革」と「寛政の改革」でした。また、無答も約15%ありました。江戸時代の大きな3つの政治改革(享保の改革・寛政の改革・天保の改革)については、改革を行った時期、中心人物、改革の内容を表にして整理することが必要です。
2(5)〔正答率33.0%〕知床半島(世界自然遺産)
Fの半島名(知床)は約75%の受験生が正解できていますが、日本にある世界自然遺産の選択肢で誤答が目立ちました。誤答の中でも多くの受験生は選択肢ア(小笠原諸島)を選んでいました。日本に世界自然遺産は、現在5件(知床/白神山地/小笠原諸島/屋久島/奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島)ありますが、富士山は世界自然遺産ではなく世界文化遺産に含まれます。世界自然遺産(5件)とともに世界文化遺産(20件)も地図で確認しておきましょう。
2(6)〔正答率11.9%〕津軽平野の農業
「津軽平野」は約半数が正解できていましたが、津軽平野で栽培がさかんな「りんご」以外の農作物が判断できなかった受験生が多く、正答率が伸びなかった問題です。
津軽平野は、りんごの栽培がさかんですが、肥沃な土地と岩木川の豊かな水で米作りもさかんです。日本の諸地域に関する問題は、入試においても頻出事項です。地域別に自然・産業・地域の課題をまとめておきましょう。
3(5)〔正答率42.2%〕日明貿易
解答の選択肢が比較的分かれた問題です。日明貿易(勘合貿易)については理解できているのですが、約60%の受験生が輸出入品の整理ができていませんでした。貿易の歴史については、次のように大きく5つの時代に分けて整理すると理解が深まります。
1.中国への朝貢の時代(弥生時代)
2.中国への使節の時代(飛鳥・奈良時代)
~遣隋使、遣唐使~
3.日本と外国、双方の利益を狙う時代
(平安・室町・安土桃山・江戸時代)
~日宋貿易、日明貿易、南蛮貿易、朱印船貿易~
4.鎖国の時代(江戸時代)
~鎖国下の4つの窓口~
5.明治以降
5(7)〔正答率47.0%〕内閣の仕事
国会と内閣の仕事を正しく理解しているかを問う問題です。選択肢イ、ウ、エとする誤答が合計で半数を超えていました。国会・内閣・(裁判所)の仕組みについては、公民分野においてよく出題される内容です。国会・内閣の仕事内容について考える場合は、それぞれの役割を正しく理解する必要があります。簡単に表現すると、国会は立法権を持ち、「方針を決める役割」をもっています。内閣は行政権を持ち、「方針に従って実行する役割」と「方針の『案』をつくる役割」を持っています。上記を踏まえ、主な仕事内容についてまとめておきましょう。
5(8)〔正答率35.8%〕裁判員裁判
裁判員裁判が行われる裁判所と、裁判の様子の図から「検察官」を答える問題です。裁判員裁判は、選択肢イの地方裁判所で行われます。約43%の受験生が選択肢アの高等裁判所を選んでいました。
また、「検察官」を正解できていた受験生は約70%いましたが、多くが裁判所を正しく選択できなかったため、正答が低くなりました。裁判所については、次の3つの項目を再確認しておきましょう。
・裁判の種類/裁判所の種類
・控訴と上告(三審制)
・裁判員制度
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