講評
2023年 11月実施 小5
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2023年 11月実施 小5
小5
算数
平均点/満点 | 61.0点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 25問 |
平均点は、ほぼ想定どおりの結果となりました。4~6の教科書レベルの問題取りこぼしがあったものの、8・9のような初見の問題にうまく対応できた受験生が多かったようです。
2(4)〔正答率62.3%〕倍・割合
(最も多かった誤答)「1.25倍」32.8%
12mが15mの何倍かを求める問題です。
考え方は、15mが「もとにする量」、12mが「比べる量」なので、12÷15=0.8(倍)となります。
これに対し、最も多かった誤答は、15÷12=1.25(倍)を計算しています。これは、12mを「もとにする量」、15mを「比べる量」とした、または、「わり算の結果が1より大きくなるので15を12でわった」ものと考えられます。
なお、無答が2%で、残りは12÷15または15÷12の計算ミスの解答となりました。
4(2)〔正答率59.9%〕四角形の性質
(最も多かった誤答)「ウ、エ」20.6%
次のア~エの四角形のうち、1本の対角線を引いてできる2つの三角形が合同になる四角形をすべて選ぶ問題です(問題用紙に図はありません)。
ア 台形
イ 平行四辺形
ウ ひし形
エ 長方形
正解は「イ、ウ、エ」なので、多くの受験生の誤答の原因が「イ 平行四辺形」を選ぶことができなかったことにあります。なお、「ア 台形」を選んだ受験生は5%でした。
5(2)〔正答率36.5%〕概数・長さ・資料の見方
(多かった誤答)多い順に、「94.2mm」17.3%、「942mm」13.1%
次の表で、2つの都市の人口の百の位を四捨五入し、図のように棒グラフで表すとき、1000人を棒の長さの1mmとして表すと、B市の長さが何mmになるのかを求めます。
正答に至る手順としては、まずB市の人口を条件どおりに概数で表してから(94000人)、棒グラフの長さを考えます(94mm)。
ところが、誤答の多くは、最初の四捨五入の段階でB市の人口を94200人としていました。すなわち、「百の位を四捨五入する」ことができていませんでした。
なお、四捨五入はできたが長さを間違えた、「940mm」や「9.4mm」のような誤答は、それぞれ3%程度でした。
小5
国語
平均点/満点 | 55.8点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 29問 |
3(言葉の書きかえ)の正答率が想定を下回りましたが、配点が小さいため影響は少なく、1(漢字の読み書き)・4(文学的文章の読み取り)がほぼ想定通りの結果となり、試験全体としては、想定に近い結果となりました。
1(2)〔正答率57.5%〕漢字の読み 挙兵
(多かった誤答)無答10.0% 「けんへい」9.9%
「挙兵」という言葉は受験生にとって馴染みがなく、正答率は伸びませんでした。
「挙」という漢字を「けん」と読む誤答は全体の1割を超えましたが、「挙」を「けん」とは読みません。しかし、「挙」という漢字と似た「拳」には「けん」という音読みがあります。
「挙」を使った熟語には、「選挙」「挙手」など、日常生活で目にするものもあります。漢字は形だけでなく、読み方・熟語も合わせて覚えておきましょう。
2(3)〔正答率45.2%〕熟語の構成 建国・求人
「建国」と同じ構成の熟語を選ぶ問題です。
最も多かった誤答は選択肢エ「区立」です。「区立」は「区が立てる」という意味の熟語で、上の漢字が主語・下の漢字が述語となっています。「建国」も「国が建てる」と読むことはできそうですが、読む順番が逆です。熟語の構成の問題を解くときは、漢字を読む順番にも気をつけましょう。
3(1)〔正答率62.1%〕言葉の書きかえ
(多かった誤答)「そんけいする」としているもの30.3% 「父に」としているもの9.7% 「父」を欠くもの8.6%
受身の文「父はそんけいされている」を、「父をそんけいしている」に書きかえる問題です。
受身の文を書きかえるときには、「れる・られる」の変化以外に、「~は(が)」を「~を」に書きかえるなど、つなぎ言葉(助詞)を変化させる必要があります。「父に」としている受験生はそのことが理解ができていません。
また、受験生の3割以上が「そんけいしている」を「そんけいする」と書いていました。また、書き変えるときに「父」が抜けてしまった答案も多く見られました。記述問題や抜出問題の答えを書くときには注意力も大切です。
4(2)〔正答率51.2%〕選択 フルホン氏の気持ち
選択肢ウは3割以上の受験生が選択していました。
選択肢イ・ウの心情語は互いに内容が似通っているため、心情語だけを根拠に正解を決めることはできません。したがって、心情の原因となるできごとが正しいかどうかで判断します。選択肢イの前半部分「幽霊にいったいどのような罰を与えればよいか」の部分ですが、たしかにフルホン氏は幽霊に罰を与えていますが、罰を与えるのは傍線部より後ろの場面です。心情とできごとは必ずセットで押さえておきましょう。
4(4)〔正答率48.8%〕選択 フンと鼻を鳴らした理由
最も多くの受験生が選んだ誤答は選択肢イでした。
直後のセリフに「すごい本」とあり、8割近くの受験生が「すごい」という言葉が含まれている選択肢イ・選択肢エにしぼることができたようです。
そこから正解にたどり着くには、本文中の「すべてがすごい本」という言葉に注目しなければなりません。「〈月読の本〉のすごさ」としている選択肢イは限定的であり、正しくありません。本文中の言葉と選択肢の言葉の両方を読み解く力が試された問題でした。
5(2)〔正答率24.7%〕記述 言いかえ めずらしいしかけ
(多かった誤答)「二度さわるととじる」という内容を欠くもの21.3% 「葉柄やふちの毛にさわってもとじない」を欠くもの18.7% 「葉が運動する(とじる)」という内容を欠くもの18.7% 文末が「~しかけ」で終わっていないもの20.0% 敬体が含まれているもの16.0% 句点ヌケ12.7%
百字程度の内容を四十字以上六十字以内にまとめなければならず、要点を抽出して制限字数内にまとめる力が試される問題でした。
得点となるポイントがいくつもあるのですべてのポイントを押さえて書くことは難しくても、部分点を取りにいくことはできます。無答率は14.5%と例年の記述問題より若干高くなりました。内容は平易であったので、字数に恐れず取り組む姿勢が重要でした。
それと同時に、文末が「~しかけ」で終わっていないもの、句点ヌケ、敬体が含まれている、誤字脱字など、記述問題としての基本ができていないため、折角書いても失点が積み重なって得点できなかった答案が多数見られました。記述問題で確実に得点できるように日ごろから記述の練習をしておきましょう。
小5
英語
平均点/満点 | 68.9点/100点 |
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試験時間 | 25分 |
小問数 | 45問 |
この学力テストの小学生英語においては、小学5・6年生が同じ問題に挑戦するという実態調査の形をとっています。今後の学習の指針として、テストおよび結果をご活用ください。
1~3はリスニング問題となっていますが、3(あいさつや対話を聞いて理解できる)は、想定をやや下回りました。筆記問題となる5(単語を書くことができる)では、綴りのミスが多く想定を大きく下回りました。特に(5)の正答率は1.8%と低くなりました。1・2・6はイラスト付きの問題という理由からも得点率が高くなり、試験全体としての正答率はほぼ想定通りとなりました。
1(7)〔正答率86.7%〕リスニング 英単語
(多かった誤答)「イ-circle」8.5% 無答0.3%
「単語の聞き分け」を問いました。(1)キー(4)トラック(8)パンプキンなど、日本語として聞きなじみのある言葉となっている英単語の問題は特に高い正答率となりました。一方で、普段あまり使わない[形] (-square-/-circle-/-triangle-)に関する聞き分けの正答率はやや低くなりました。最初は普段の日常生活の中で触れる英語(物の名前等)から少しずつでも英語に興味を持つようにしていきましょう。
2(3)〔正答率70.1%〕リスニング 英文
(多かった誤答)「ウ-carrying a bike」16.9% 無答0.3%
「文の聞き分け」を問いましたが、一般動詞の現在分詞の聞き分け(cleaning a bike/riding a bike/carrying a bike)の正答率が想定を下回りました。これは名詞と比べまだまだ使う頻度の少ない動詞の問題ということが誤答の原因となりました。
また(5)ではsnow→snowy, cloud→cloudy, rain→rainyと名詞ではなく形容詞を問う問題となっているため正答率はやや低くなっていました。
3(2)〔正答率47.8%〕(4)〔正答率57.1%〕リスニング 対話文
問題にはイラストや英単語・英文といったヒントとなるものがなく、その場でのヒアリングのみで短時間で判断しなければならないため、難易度が上がり想定を下回る結果となりました。(2)では単に否定の返答 No, it isn't (a museum). という形式ではなく、二人の会話が対話として成り立っているかどうかの判断が必要となるため、とまどいがあったようです。また、(4)でも場所を表す疑問詞を使った問題で、「どこに~」としっかり答えている返答の聞き分けが必要となります。
4〔各設問ごとの正答率〕筆記 アルファベット
アルファベットの書き取り問題では、大文字はよく書けていましたが、なじみの薄い小文字の正答率がやや低くなっていました。特に(6)のqは筆記体での書きづらさ、またp-q、b-d は形も似ていることから、他のアルファベットに比べ誤答が増えました。
5〔各設問ごとの正答率〕筆記 英単語
「書く力」を試す問題で難易度はかなり高くなりましたが、現時点では焦る必要はありません。小学校の指導要領で求められている「書く力」は、
①大文字・小文字を活字体で書ける
②簡単な語句や基本的な表を書き写すとができる。
となっています。
英単語を学習する時には、カタカナ読みにならないよう、英語の音をしっかりと聞いて、英語のリズムで覚えるようにしましょう。
(1)(2)(3)は「似た音のアルファベットの混同」による綴りミスが原因となる誤答が見られました。(1) bus →bas (2) lemon→remon (3) rose → lose などです。また特に正答率の低い(5)は無答が37.4%もあり、bridgeでの-dgeが書けていない解答も目立ちました。英単語を書く練習をするさいには、自分で発音しながら、少しずつ正確に綴りを覚えるようにしていきましょう。
6(5)〔正答率53.3%〕選択 英文の理解
(多かった誤答)「イ-A boy is in front of the car」26.8% 無答2.8%
「英文を読む」こと自体の経験がない受験者も多かったと思いますが、答えのカギとなる単語(イラスト)のジャンルによって正答率は変わりました。(1)(castle / station / library-)はやや難しい名詞となり正答率は70.8%にとどまりましたが、最も低い正答率となったのは(5)の場所を表す前置詞の問題です。in front of(~の前に)という英熟語を知らない場合に、front(フロント=前)と車の前座席のイメージの混同からの誤答も見られました。
7(1)〔正答率44.4%〕選択 会話文の理解
(多かった誤答)「ウ-Yes, I am.」34.9% 無答6.8%
「対話文を読み取る力」を問いました。「質問」に対する「返答」が不自然でなく、会話として成り立っているかどうかを確認しなければなりません。意味(内容)と文法の両方の正しい理解が必要となる問題です。(1)は疑問文ではなく、否定命令文(~してはいけない)に対して返答する会話となっており、単にYes / Noで答えていないので、しっかりと場面・内容がとらえられていないと誤答となってしまいました。
また、(4)の正答率も45.0%と想定を下回りましたが、これは8文字とやや長い疑問文となっていることも原因となりました。
語学の学習では、まず基本となる対話パターンを覚える。その後、文脈に応じて自由な表現に対応できるようになるという順番で学んでいくことが大切です。少しずつ様々な対話パターンの表現を学習していきましょう。
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