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講評

2023年 11月実施 小4

小4

算数

平均点/満点 55.2点/100点
試験時間 40分
小問数 25問
1. 大問別正答率(想定と結果)

想定より低い平均点になりました。47で出題された基本的な問題の正答率が想定より低かったことが原因です。

テスト 小4 算数 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

2(1)〔正答率49.3%〕整数・分数の大きさ比べ

次のような問題です。

(1) 2 , 44 , 1314 の大きさについて、次のア~カから正しいものを1つえらび、記号で答えると  です。

ア 2 < 441314  

イ 2 < 131444  

ウ 44 < 2 < 1314  

エ 441314 < 2  

オ 1314 < 2 < 44  

カ 131444 < 2  

 

選択された選択肢の割合は、次の円グラフのようになりました。

テスト 小4解答 算数 2-(1)

 

選択肢アは、数の大小関係が完全に逆にもかかわらず、高い選択率になりました。
不等号の意味(小<大)に関しては、過去この時期までに出題した整数の大小関係の問題で、正答率が80%を下回ることがなかったことから、受験生の大多数は、不等号の意味は理解しているものと想像できます。
このことから、今回、選択肢アを選んでしまったのは、「①選択肢が6つもあることから戸惑い、選択肢を選び間違えた」または「②分数の大小関係を理解できていない」ことが原因であると考えられます。また、扱っている数が「2」「4・4」「13・14」であることも、判断を誤らせた要因の1つであるかもしれません。

 

2(5)〔正答率48.7%〕時間の差
(多かった誤答)多い順に、「2分16秒」18.8%、「1分84秒」10.4%

6分30秒と8分14秒のちがいを求める問題です。
8分14秒-6分30秒という式はすぐに立てることができますが、秒の単位の計算で、14-30ができないと気づいたときの対処の仕方が、大きく2つに分かれたようです。
まず、最も多かった誤答「2分16秒」は、ひき算のルールを無視して30-14=16(秒)としたものです。この他にも、秒の単位の一の位の数が6である誤答は多くありました。
2番目に多かった誤答「1分84秒」の原因は、分の単位から60秒を繰り下げてくるところを、100秒を繰り下げてしまったことです。

 

3(2)〔正答率52.7%〕位取り
(最も多かった誤答)「280617」31.5%

28061700000が、1万をいくつ集めた数であるかを求める問題です。学習時期は小4で、教科書などで触れる機会が多い基本レベルの問題なのですが、まだまだ身についていない受験生が多いことがわかりました。

 

7(1)〔正答率66.6%〕きまりのある数作り
(最も多かった誤答)「40」14.2%

0、1、2、3のみを使って表すことのできる整数を小さい順に並べるとき、16番目の整数を求める問題です。問題用紙には、次のように22(11番目)まで提示されています。

 

0、1、2、3、10、11、12、13、20、21、22、……

 

12番目以降は、23、30、31、32、33、100と並ぶので、16番目は33です。
数をきまりどおりに作ることができたが、途中でミスをした(抜かしてしまったり数え間違いをした)のであれば、正解の前後の「32」や「100」の解答になりますが、それぞれ5%もありませんでした。
最も多かった誤答「40」を答えた受験生は、数を作っていくうちにきまりを忘れてしまったようです。

 

小4

国語

平均点/満点 61.5点/100点
試験時間 40分
小問数 29問
1. 大問別正答率(想定と結果)

1(漢字の読み書き)・2(知識・文法)の学習内容は、学年相応に身についているといえます。3(言葉の書きかえ)は、想定を下回りました。読解問題(45)は、いずれの大問も学年相応の出来といえます。無答率も全体的に低く、積極的に問題に取り組むことができていました。1(漢字の読み書き)・読解問題(45)の結果が想定を少しずつ上回っていたため、これらの大問と平均点の低かった3(言葉の書きかえ)とが相殺される形で、試験全体の正答率はほぼ想定通りとなりました。

テスト 小4 国語 正答率(想定と結果)

 

2. 小問別

1(9)〔正答率60.1%〕漢字の書き 門番
(多かった誤答)無答9.6% 「門」のみ6.7% 「門板」4.9% 「問版」4.9%

誤答した答案のうち、「番」を間違えた答案は、「門」を間違えた答案の約2倍ありました。受験生にとっては、「門」よりも「番」を正しく書くことの方が難しかったようです。実際の答案を見てみると、「番」の下部にある「田」が「日」になっている等、書くべき漢字を分かっていながら形を正しく覚えていないために誤答したと思われるケースが散見されました。
「門」の誤字として多かったのは、「門」と形が似通った漢字(「間」・「問」)です。他方、「番」の誤字として多かったのは、「番」の同音異義語である「板」でした。漢字を学習する際は、意味と形の両面に気を付けて覚えるようにしましょう。

 

3(1)〔正答率40.7%〕言葉の書きかえ
(多かった誤答)「おみやげをもらった」36.9% 元の文を書きかえず、そのまま「おみやげをわたした」と答えたもの7.0%

例文(買い物をたのんだ➝買い物をたのまれた)にしたがって、問題文中の「おみやげをわたした」を「おみやげをわたされた」という受け身の形に書きかえる問題です。最も多かった誤答である「おみやげをもらった」は、「わたし」と「お父さん」の関係を正しくとらえて答えることはできていますが、「わたした」という言葉を受け身の形に書きかえる視点が欠けていたために間違えていました。

 

4(5)〔正答率34.5%〕選択 文章の内容や表現の特徴

テスト 小4解答 国語 4-(5)

各誤答選択肢(ア・イ・エ)の選択率もそれぞれ高くなっているのが特徴です。特に選択肢ア・イはそれぞれ1/4前後の受験生が選択しており、全受験生の半数以上が選択肢ア・イのいずれかを選んで誤答した形です。4者1択の問題としてはかなり答えを絞りにくかったことが窺えます。
この問題では、筆者の文体や表現の特徴を全体的に捉えることが求められています。そうした俯瞰的な視点に立脚した読解にはまだ習熟していない受験生も多いと思いますし、この種の問題はそれほど頻繁に出題されるわけではないので、不慣れな感覚をもったまま誤答してしまった受験生もいるかもしれません。しかし、各選択肢の中で問われている内容自体は、既存の学習内容や日常体験の中に含まれています。
正解の選択肢ウでは、いわゆる「回想シーン」が本文中にあったかどうかが問われています。この文章は、「ぼくはいちどだけ桜寿司に行ったことがある。」という一文で始まります。そしてそれ以降、桜寿司に行ったときのこと(=過去の出来事)を、物語の語り手である「ぼく」が回想する形で話は展開していきます。つまり、この文章は全体が1つの「回想シーン」として描かれており、それは本文の1行目を読むだけで実は判断が可能だともいえます。
こうした語りの手法は、文学作品に限らず幼児向けのマンガやアニメ作品の中でも頻繁に使われていますが、国語の問題として出題されると面食らって誤答してしまうことは十分に考えられます。物語の特徴や構造を意識的に捉える努力をするとともに、「場面変化」・「回想シーン」といった言葉を使って対象を言語化する経験を積むことが必要です。国語の学習時に限らず、日頃から読書やアニメ作品の視聴等を行う中で、物語を俯瞰的に眺める視点を養うよう努めてください。

 

5(2)〔正答率58.1%〕抜出 産卵するおもな場所
(多かった誤答)「おもに川岸」11.0% 無答5.3% 「産卵の場所」4.8%

ゲンジボタルの産卵場所が十八字で書かれている箇所を本文中から抜き出し、最初の五字を答える問題です。ゲンジボタルの産卵場所については本文中の複数の箇所で言及されていますが、ひと続きの十八字の言葉で説明されているのは、正解の箇所のみです。多かった誤答の例として挙げた「おもに川岸」・「産卵の場所」は、いずれも正解と同じ行の言葉を抜き出したものです。すなわち、これらの誤答を書いた受験生は、本文のその箇所に正解の内容が書かれていることを大まかには理解していながら、字数のカウントを疎かにしたために失点したといえます。
本文中から言葉を抜き出すときは、抜き出した答えが過不足なく問題の答えになっているかどうかを確かめるようにしましょう。

 

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