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2022年 11月実施
小6
小6
算数
平均点/満点 | 63.6点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 25問 |
全体の平均点は、ほぼ想定通りとなりました。8(計算の約束)の応用・発展レベルの問題にも想定以上に対応できていました。与えられた条件を正しく理解し、使いこなすことができた結果です。
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3(2)〔正答率50.5%〕文章題(比)
(1)で求めた比(5:3)になるように切り分けたテープの長い方が120cmになるとき、もとのテープの長さを求めます。
正解した受験生の多くは、まず短い方のテープの長さを、120:□=5:3として□=72(cm)を求め、そのあと全体の長さを求めたものと考えられます。
今回、誤答として最も多かったものは、短い方の72cmを答えたもの(28%)で、求めた数量の意味を立ち止まって確認できていなかったことが原因であると考えられます。
小学校の教科書や教科書準拠の問題集では、このような「一方の数量を求める」問題は多く掲載されているのに対して、今回のような「全体の数量を求める」問題は、チャレンジレベルに1~2問掲載されている程度です。
今回は、日ごろから幅広い問題に触れていたかどうかで差が出た部分もあると思われます。
4(3)〔正答率68.9%〕資料の読み取り
ある市で収集しているゴミに関する資料について、選択肢ア~ウから正しいものを選ぶ問題です。
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ア ゴミの年間収集量の合計は、2020年が2000年より少ないので、すべての種類のゴミの量が少なくなった。
イ 2000年・2020年ともに、ゴミAの年間収集量はB~Dの3種類の年間収集量の合計の10倍以上である。
ウ 収集日の日数が多いゴミほど、年間収集量も多い。
受験生が解答した選択肢の割合を円グラフで表すと、次のようになります。
アが正しくないことは、Bの年間収集量を見れば明らかですので、選択率が最も低いのは頷けます。これに対し、ウの収集日の日数は、1か月あたりの日数に揃えるなどして考える必要があります。また、イも、資料の数値を分析する必要があります。
資料を分析ししながら、併せて自身の知識を活用することができたかどうかが、正解と不正解を分けたものと思われます。
6(1)〔正答率42.5%〕文章題(割合)
空の水槽を30分で満水にすることのできる管があり、満水の水量を1としたとき、管が1分間に入れる水量の割合を求めます。
割合の表し方は、小4で整数・小数、小5で歩合・百分率や分数、小6で小数・分数、というふうに、段階的に学習してきました。
今回の問題は、小5や6の学習内容になりますが、割合を分数で表すことにはまだ慣れていない受験生が多いことがわかります。
誤答例は、多い順に、30%(12%)、0.5(8%)、0.033…(5%)で、最も多かった30%は、30分を単に小数や百分率にあてはめただけと考えられます。また2番目に多かった0.5は、30分を1時間の50%と見たものと考えられます。そして0.033…は、1÷30を計算したものの割り切れないままを答えたものでしょう。なお、無答が22%と、不正解の中では最も多くありました。
小6
国語
平均点/満点 | 57.9点/100点 |
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試験時間 | 40分 |
小問数 | 29問 |
4(文学的文章の読み取り)の正答率が想定を大きく下回りましたが、3(言葉の書きかえ)の正答率が想定を大きく上回りました。他の大問はほぼ想定通りであり、全体的にもほぼ想定通りになりました。
3の大問正答率が想定を大きく上回ったのは、(2)の正答率が90%を超えたからです。(2)は意味が二通りに解釈できる文についての選択問題でした。
4は、(2)~(5)の正答率がすべて50%を下回りました。母親が急病で倒れた後の家族を描いた文章で、受験生にとって状況が理解しづらいものであったと考えられます。
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1(8)〔正答率36.9%〕漢字の書き 首位
(多かった誤答)「主位」約18% 「守位」約9%
誤答は「主位」「守位」「周位」「周囲」など、「シュ」もしくは「シュウ」と読む漢字を答えたものが目立ちました。漢字の読み書きを学習するときは、漢字そのものが持つ意味を確認しながら熟語をインプットすれば、効率よく覚えることができます。
2(7)〔正答率54.2%〕修飾語
最も多かった誤答は選択肢ウです。選択肢ウを選んだ受験生は、連用修飾する「盛り上がるように」と、連体修飾する「盛り上がるような」の区別がついていません。修飾語と修飾される言葉だけを取り出して、一つ一つの選択肢を吟味する丁寧さが重要です。
4(2)〔正答率22.7%〕抜出 言いかえ 朝からこわばっていた
(多かった誤答)無答約21% 「激しくしゃくり上げた」など約18% 「病院までついていった」など約9% 「すぐに救急車を呼んだ」など約7% 「お母さんを助けたんだ」など約5%
「朝からこわばっていた」という部分を言いかえた表現を抜き出す問題です。
多かった誤答の4つのパターンは、いずれも「あたし」の行動です。その内容がバラバラであることから「こわばっていた」とはどういうことか、言葉の意味がわからなかったと考えられます。
4(3)〔正答率41.2%〕選択 子どもは宝だと言った理由
おばあちゃんの「子どもは宝だよ」という言葉は本文中に二回出てきます。選択肢イは最初におばあちゃんが「子どもは宝だよ」と言った理由としては正しいのですが、選択肢イを選んだ受験生は、傍線部直前の「あたし」とダイのやりとりを考慮できていません。物語文で心情や理由を考えるときは、直前のできごとに注目しましょう。
4(4)〔正答率47.1%〕選択 「あたし」の気持ち
選択肢エの「母親が死ぬかもしれないという張りつめた思い」を、「あたし」は持っていましたが、おばあちゃんに「だいじょうぶ」と言われて背中をとんとんとしてもらっているうちにその緊張感から解放されました。これは傍線①の心情からの変化であって、この問題で問われている部分(傍線③)より前に起こっています。物語文では、心情の変化をおさえながら読み進めていくことで、全体像が理解できます。
5(4)〔正答率33.6%〕選択 大きなオスを選ぶ理由
リトルペンギンのメスが大きなオスを選ぶ理由としてあてはまらないものを選ぶ問題です。メスが大きなオスを選ぶ理由については、大きなオスは「ヒナの成長が速く、巣を防御する力も強く、良い場所に巣を持っている」とありますが、大きなオスを選んで「メス自身の遺伝子を残せる可能性が高まる」とは書かれていません。そう考えて、選択肢エと答えた受験生がいると考えられます。
しかし、リトルペンギンの話はメスが「『質』にこだわる」ことの具体例であり、オスの質(リトルペンギンなら大きさ)にこだわる理由が具体例よりも前の部分で説明されています。選択肢エと答えた受験生は、前半で説明されていることを読み飛ばしていると思われます。
論理的文章では正確に文脈を読み取らなければなりません。特に具体例の前後には、筆者の主張が書かれています。
小6
英語
平均点/満点 | 78.9点/100点 |
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小問数 | 37問 |
新学習指導要領に基づき、2020年度から、小学校での英語の授業が必修化されています。
習熟度に応じた検定試験は多く存在しますが、今回の学力テストでは全国の小学5・6年生が同じ問題に挑戦する、という実態調査の形をとりました。今後の学習の指針として、テストおよび結果をご活用ください。
今回の学力テストでは、次の力を問う出題を行いました。なお、出題内容は身近な単語や、外国語活動および授業でよく使われる表現を中心にしています。
1. 基本的な単語や文を聞く力
2. 基本的な単語や文を読む力
3. アルファベットや基本的な単語を書く力
英語必修化後、5・6年生では年間70コマの授業を通して、従来の外国語活動で重視されてきた「聞く」「話す」に加えて、新たに「読む」「書く」能力向上を目的とした教科学習を行います。
今回のテストでは「読む」「書く」の力を試す問題も盛り込むことで、小学生が、現状でどのくらい英語を読むことや書くことに親しんでいるかも併せて調査しました。
[1]では「単語の聞き分け」を問いました。動物(dolphin)、や体の部位(shoulder)など、日本語でも聞きなじみのある単語を解答する問題は特によくできており、その正答率は共に90%以上となっています。一方で、dragonfly(トンボ)というやや難しい昆虫名の識別は83.3%とやや低い点数になりました。この大問全体の正答率は95.1%と非常に高い結果となりました。
[2]では「文の聞き分け」を問いました。大問正答率は94.3%でした。名詞の聞き分けや、数字の聞き分けはよくできていました。一方で、基本動詞の聞き分け問題(paint a picture / take a picture / buy a picture)が82.2%とやや低い点数になりました。
[3]は大問正答率61.2%でした。(4)の正答率が43.0%と低くなりました。Yes/Noで答えるのではない、疑問詞(where)の問題でした。対話の聞き取りにあたっては、まず音声を通じて、数多くの文章のパターンを身につけることを心がけましょう。
[4]ではアルファベットの書き取り問題を出題しました。大文字はよく書けていました。小文字は文字の高さがつかめていない誤答が多く見られました。小6になると小文字の習熟度も大きく上がっています。
「大文字を小さく書いただけ」というのが最も多い誤答のパターンです。また今回は、4線の使い方も採点基準としています。
[4]の正答率
(1) D | (2) M | (3) Q | (4) e | (5) l | (6) v | |
---|---|---|---|---|---|---|
小5 | 99.0% | 98.4% | 95.4% | 84.3% | 84.3% | 97.4% |
小6 | 99.8% | 99.6% | 98.0% | 98.4% | 94.3% | 99.0% |
[5]では単語の書き取り問題を出題しました。大問全体の正答率は53.3%でした。最も正答率が高かった単語は(1)tenで、92.0%という結果になりました。
[5]の正答率
(1)ten | (2)melon | (3)bike | (4)sea | (5)ring | (6)house | |
---|---|---|---|---|---|---|
小5 | 85.3% | 26.0% | 24.6% | 17.6% | 33.9% | 42.2% |
小6 | 92.0% | 40.1% | 39.3% | 47.4% | 49.1% | 52.1% |
アルファベットと単語の書き取り問題を通じ、いろいろな傾向が見えましたので紹介します。
①ローマ字との混同
ローマ字学習が英語学習にとってプラスかマイナスかは議論が分かれます。今回、ローマ字のルールで書かれた解答が多く見受けられました。
(正)ten - (誤)tenn
②鏡文字
bとdを混同する鏡文字での答案も見受けられました。アルファベットを練習するさいに、意識して区別しましょう。
(正)bike - (誤)dike
③LとRの混同
LとRを混同する答案も多くみられました。LとRは英語では全く異なる音です。つづりだけでなく、発音もしっかり区別できるようにしましょう。
(正)melon - (誤)meron
英単語を覚えるさいには、カタカナ読みにならないよう、英語の音をしっかり聞いて、英語のリズムでインプットしましょう。また、小学校の新指導要領で求められる「書く力」は、
①大文字、小文字を活字体で書ける
②簡単な語句や基本的な表現を書き写すことができる
までですので、焦る必要はありません。現時点で「どのくらい書けるのか?」という力試しと捉えてください。
[6]では文を認識する力を問いました。小5の大問正答率は91.5%でした。名詞を区別する問題や時間の読み取りなど、いずれもよくできていました。位置を表す前置詞(in / behind / under)を区別する(5)の正答率が69.8%とやや低くなりました。
[7]では対話を読み取る力を問いました。大問正答率は66.2%でした。意味と文法の両方の理解が必要な問題が多かったので、やや難しかったようです。特に、疑問詞を用いた問題が、ほかに比べ一段低い正答率となりました。簡単な疑問文については、丸暗記ではなく、語順や答え方のルールも意識するといいでしょう。
今回、同時にアンケートを行い、テスト結果との相関関係を調査しました。
まず受験者が英語に対してどんな興味・関心を持っているか見てみましょう。
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多くの受験生が「旅行に行きたい」と思っています。さらに踏み込んで海外留学や海外生活を希望する人は16.4%ほどに留まりました。
次にテスト結果との関係をみてみましょう。
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留学や、海外での生活を志向する受験者の方が平均得点が高い結果となりました。逆に、英語に対してあまり興味がないと答えた受験者の得点が最も低くなりました。このように、興味・関心と平均点の間には相関関係が見られます。
さらに英語学習歴を尋ねたところ、8割以上の受験者が学校以外に何らかの英語学習をしていることが判明しました。5年以上の学習者も約25%います。
では、学習期間は結果に反映されるのでしょうか?学習期間別の得点をみてみましょう。
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学習期間が長いほど、平均点が高くなる傾向が見られます。
英検資格とテスト結果との関係についても尋ねてみました。
英語教育への注目が高まり、小学生のうちから英検をめざす子どもが増えているといわれます。受験者の中での英検資格保持者は約30%でした。教科化に伴い、この割合は次第に増えてくると予想されます。英検5級は中1内容です。中1のスタート段階で、すでに習熟度に相当の開きがある実態がわかります。
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英検の取得級と今回のテスト結果の間にも比例関係が見られます。興味をもった方は、英検にも積極的にチャレンジしてみましょう!
新指導要領の導入により、一層本格化する英語学習ですが、何よりも大切なのは、お子さま自身が英語への興味・関心を持つことです。アンケートでも示されたように、お子さま自身が英語に対して興味を持つことが、結果として英語力向上に繋がります。本、映画、旅行など様々な手段を活用して、知的好奇心を刺激し、お子さまの「英語ができるようになりたい」という意欲を育んで頂けたらと思います。
また、今回のテストは、競争ではなく、現段階での診断ツールとしてご活用いただきたいと思います。教科化に伴い、学校での授業内容がより高度なものになったことに不安を感じる方も多くいらっしゃると思います。こうした中でも、まずは「英語に苦手意識を持たせない」ことにぜひご留意いただき、お子さまが英語に触れる機会を継続して持っていただければと思います。
今回の学力テストが、お子さまのこれからの英語学習の一助となれば幸いです。
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