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講評

2018年11月実施

小6

小6

算数

平均点/満点 57.7点/100点
試験時間 40分
小問数 25問
全体

小数の計算(かけ算、わり算)を伴う基本問題で計算ミスをしたと思われる答案が多くあり、全体の平均点が少し低くなりました。

問題別

大問2(4)[正答率56.9%]は、96と72の最大公約数を求めることに気づくことがポイントです。誤答の約80%が公約数を答えており、最も多い誤答が12で約30%、次いで8が約20%でした。最大公約数の求め方を身に付けることが課題です。(6)[正答率39.2%]は、三角形の内角や与えられた角度を利用し、順に他の部分の角度を求める問題です。誤答の多くは、与えられた角度を使って計算せずに、見た目で答えたと思われる解答でした。与えられた角度を使って、次々に他の角度を求めていく練習が不足している結果だと思われます。

大問4は、正方形と円の複合図形の問題です。円の面積を求める(1)[正答率84.4%]は、よくできていました。複合図形の面積を求める(2)[正答率33.8%]は、(1)の結果を利用して答えを求めるので、(1)を正解した答案のみ分析すると、思考の過程は正しいが計算ミスをしたと思われる解答が約30%もありました。また、無答答案も多く、図形の見方がわからなかった受験生が多くいたものと思われます。

大問6(1)[正答率60.2%]は、時間の単位換算をして、速さを求める記述問題です。「道のり÷時間」を使った式はしっかり書けていました。正解・不正解の分かれ目は、時間の単位換算にありました。12分30秒を12.5分と換算するのですが、750分、または、12.3分とした間違いが多く見られました。前者は750秒であれば正しいのですが、「分」に換算すると指定されているので、条件を正しく理解していないことが原因です。また、後者は分と秒の関係が理解できていないことがわかります。

まとめ

算数は、知識を使う経験を積み重ねていくことが大切です。普段の学習では、まずは教科書どおりの基本的な内容をきちんと習得するように心がけましょう。そのうえで、応用問題にも挑戦するようにしてほしいと思います。
毎日、少しずつでよいので、決めた時刻に、決めた問題集の決めたページを練習して、間違い直しまできちんとやる、これを継続することで知識や解法が身につき、応用力へつつながっていきます。

小6

国語

平均点/満点 68.6点/100点
試験時間 40分
小問数 29問
全体

平均点は想定を上回りました。[2]「知識・文法」・[4]「文学的文章の読み取り」・[5]「論理的文章の読み取り」の正答率がやや高くなっています。

問題別

[1]「漢字の読み書き」 正答率が最も低くなった問題は、(10)「成算」[正答率6.0%]です。誤答の多くは、同音異義語である「精算」・「生産」です。例文をよく読み、熟語の意味を確定させた上で漢字を書くことが大切です。読みの問題で正答率が最も低くなった問題は、(4)「燃焼」[正答率74.6%]です。誤答としては、漢字の読みとは無関係に、燃やすこと・焼くことに関係する言葉(「しょうきゃく」・「ぜんしょう」など)が多く見られました。

[2]「知識・文法問題」 (4)[正答率33.0%]は、外来語の意味を選ぶ問題です。「コミュニティー」の意味は、イ「協力しながら同じ場所に住む人たちの集まり」ですが、約6割の受験生が、ア「おたがいの気持ちや考えなどを伝え合うこと」を選んでいます。アは、「コミュニケーション」の意味を説明した言葉です。多くの受験生が「コミュニティ」と「コミュニケーション」の意味を混同しているようです。

[3]「言葉の書きかえ」 (1)[正答率66.4%]は、文を受け身の形に直す問題です。誤答としては、「ゆびさしました」を「ゆびさされました」という受け身の形に直せていなかったものと、王様と「ぼく」の関係が逆になった文(=「ぼく」が王様をゆびさしたという内容の文)を答えたものが多く見られました。〈例〉をもとに、文をどのように書きかえればよいか正しく判断することが大切です。

[5]論理的文章の読解 (3)[正答率56.0%]は、2種類のチョウ(オオムラサキ・アサギマダラ)の飛び方の違いについて、60字以内の一文で記述する問題です。部分点を失った答案の多くは、オオムラサキの飛び方を正しく読み取れていません。オオムラサキの体の特徴には触れているものの、飛び方とは関係ない部分を説明して失点しているケースが目立ちました。問われた内容を明確に認識した上で解答することが大切です。

まとめ

読解問題の文章量はやや多い試験でしたが、言葉を抜き出す問題や、文章全体の内容をもとに選択肢を選ぶ問題において、長い文脈を丁寧に追って答えることができていました。問題を丁寧にしっかり読み、設問の指示を守って解答を書くことができれば、確実に、ミスを減らすことができるでしょう。

小6

英語

平均点/満点 75.7点/100点
試験時間 20分
小問数 37問
今回の出題意図

今年度より、指導要領改訂に伴う移行措置で、小学校では新しい教材が導入され、授業時間が増えました。学校現場では試行錯誤が続いております。
すでに習熟度に応じた検定試験が多く存在しますが、今回の学力テストでは全国の小学5・6年生が同じ問題に挑戦する、という実態調査の形をとりました。今後の学習の指針としてテストおよび結果をご活用ください。

今回の学力テストでは次の力を問う出題をしました。なお、出題内容は身近な単語や外国語活動でよく使われる単語や表現を中心にしています。

1. 基本的な単語や文を聞く力
2. 基本的な単語や文を読む力
3. アルファベットや基本的な単語を書く力

現状の外国語活動では「聞く」「話す」という音声学習が重視されていますが、教科化に伴い、小学校でも文字学習が徐々に行われています。今回のテストでは「書く」も盛り込み、「現時点で小学生がどれだけ書くことに親しんでいるのか」も問いました。

[1]では「単語の聞き分け」を問いました。動物の名前(giraffe, butterfly)、体の部位(ear)、スポーツ(tennis)は正答率がいずれも高く、大問正答率は92.9%となりました。一方で、(3) planeは84.2%とやや正答率が低くなりました。「飛行機」をairplaneやjetで覚えていたのかもしれません。

[2]では「文の聞き分け」を問いました。大問正答率は94.6%でした。名詞の区別で解ける問題はいずれも9割以上の正答率で、よくできていました。run / write / sinの動詞の区別が要求された(1)は82.8%とやや低くなりました。数字の聞き分けを問う問題は(4)99.2%と大変よくできていました。

対話の聞き取り

[3]は大問正答率73.9%でした。Yes/Noで解答する (2)Do you play baseball?は正答率96.5%とよくできていました。一方で、質問文が長く、選択肢が紛らわしい(3)では正答率が33.6%となりました。(4)も選択肢自体は紛らわしいのですが、84.2%とまずまずの正答率でした。外国語活動などでなじみの表現だと正答率が高くなるのでしょう。

アルファベットの書き取り

[4]ではアルファベットの書き取り問題を出題しました。大文字はよく書けていました。小文字は文字の高さがつかめていない答えが多く見られました。小6になると小文字の習熟度も大きく上がっています。 「鏡文字になる」、「大文字を小さく書いただけ」というのが主な誤答のパターンです。

[4]の正答率

  (1) E (2) N (3) Y (4) f (5) h (6) w
小5 98.6% 96.0% 93.9% 78.7% 86.0% 95.2%
小6 99.2% 97.6% 97.1% 87.4% 92.7% 97.2%
単語の書き取り

[5]では単語の書き取り問題を出題しました。(1)pigのような1文字1音の単語の正答率が小6になると上がります。ローマ字と英単語の区別がつくようになってきているようです。

[5]の正答率

  (1) pig (2) desk (3) cake (4) tea (5) math (6) train
小5 48.8% 30.3% 23.0% 26.2% 29.1% 17.1%
小6 54.9% 35.6% 28.4% 31.3% 31.4% 22.1%

また、誤答分析を通じ、いろいろな傾向が見えましたので紹介します。
①ローマ字との混同
ローマ字学習が英語学習にとってプラスかマイナスかは議論が分かれます。今回、ローマ字のルールをそのまま当てはめてしまう例が多く見受けられました。
(正)pig - (誤)piggu

②文字にすると鏡文字になる
アルファベット単体では書ける文字が、単語レベルになったとたん、鏡文字になってしまうという例も見られました。
(正)desk - (誤)besk

③日本語にない発音を、似た発音に寄せてしまう
日本語にない発音であるthのつづりミスが目立ちました。算数を「マス」とカタカナで覚えてしまっているようです。インプットの際に、正しい発音で覚えることで、つづりも書けるようになります。
(正)math - (誤)mas / maf

英単語を覚えるさいには、カタカナ読みにならないよう、英語の音をしっかり聞いて、英語のリズムでインプットしましょう。また、小学校の新指導要領で求められる「書く力」は、

①大文字、小文字が書ける
②単語や文が写せる

までです。焦る必要はありません。現時点で「どのくらい書けるのか?」という力試しと捉えてください。
単語や文の読み取り

[6]では文を認識する力を問いました。大問正答率は小5が81.3%、小6は88.1%となり、小5と小6で最も差が開いたのがこの大問でした。文と言っても、その中の単語が識別できれば解ける問題でしたが、小5から小6にかけて、「読む力」が、単語レベルから文レベルへと向上している様子です。

[7]では対話を読み取る力を問いました。大問正答率は64.9%でした。Yes/Noで解答する(2) Can you ski?は87.6%とよくできています。疑問文ではなく、セリフに対して、感想を言うような(1)では67.4%と、やや低い正答率となりました。また、聞きなれているWhatではなくWhoやHowでたずねられる問題の正答率も4割~5割台とやや低い結果となりました。

アンケート結果との相関関係

今回、同時にアンケートを行い、テスト結果との相関関係を調査しました。
英語への興味・関心とテスト結果
まず受験者が英語に対してどんな興味・関心を持っているか見てみましょう。


多くの受験生が「旅行に行きたい」と思っています。さらに踏み込んで海外留学や海外生活を希望する人は2割程度に留まりました。

次にテスト結果との関係をみてみましょう。


留学や海外生活を志向する受験者の方が平均得点が高い結果となりました。逆に、英語に対して興味・関心がない受験者の得点が最も低くなりました。このように興味・関心と平均点の間に相関関係が見られます。

学習期間とテスト結果

さらに英語学習歴を尋ねたところ、約5分の4の受験者が学校以外に何らかの英語学習をしていることが判明しました。5年以上の学習者も4分の1近くいます。


では、学習期間は結果に反映されるのでしょうか?学習期間別の得点をみてみましょう。



学習期間が長いほど、平均点が高くなる傾向が見られます。

英検資格とテスト結果

英検資格とテスト結果との関係についても尋ねてみました。



外国語活動を通じ、小学生のうちから英検をめざす子どもが増えているといわれます。受験者の中で英検資格保持者は約3分の1に上りました。教科化に伴い、この割合も増えてくると予想されます。英検5級は中1内容です。中1のスタート段階で、すでに習熟度に相当の開きがある実態がわかります。

英検の取得級と今回のテスト結果の間にも比例関係が見られます。今回、80点以上取れた人は、英検にも積極的にチャレンジしてみましょう!

最後に

今回のアンケートでも示されたように、何よりも大切なことは、「英語や世界に関心を持つ」ことです。英語の絵本、映画、旅行などさまざまな方法を通じ、「英語ができるようになりたい」というモチベーションを育んで欲しいと思います。
また、今回のテストは、競争ではなく、診断ツールとして活用いただきたいと思います。それぞれお子さまの発展段階に応じて、本人の努力にかかわらず、この時期にできることとできないことがあります。具体的には、文字学習に力を入れるべきかどうかです。英語教育の早期化が進む一方で、「早く始めると、早く嫌いになる」という事例も聞かれるようになりました。この時期、「英語に苦手意識を持たせない」ことにぜひご留意いただければと思います。
今回の学力テストをきっかけに英語学習に興味を持って頂ければ幸いです。

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